☆ ごあいさつ

皆様こんにちは。
気象台に勤務している友人から以前聞いた話なのですが、明日の天気を聞かれたとき、「晴れ」と答えておけば80パーセントは当たるのだそうです。
梅雨時と言えど、まあそんなところで、そうのべつ降っているわけではないそうです。
そういうわけで、梅雨でも「星見どき」はやってくるものなので、まあチャンスを捉えて楽しみましょう。

★さそり座が上る頃です

6月になると南南東の空に、さそり座がその雄大優美なS字形を現わします。
88も星座があると、その姿をどうしても想像できない星座も結構あるのですが、さそり座は「それっぽい星座の代表」で、いかにも毒サソリの姿を彷彿とさせます。
サソリの心臓部分にあたる赤い1等星アンタレス(αSco)は、オリオン座のベテルギウスと並び称される代表的な赤色超巨星で、その直径は太陽の680倍と言われています。

参考リンク:

・さそり座(wikipedia) https://w.wiki/4Aaw

・アンタレス(wikipedia) https://w.wiki/5LPD

★月と火星が大接近(6月1日)

1日の20時頃、西の空で月齢5.3の月と火星(1.27等)が接近します。
30倍の望遠鏡の視野にすっぽり収まるくらいの大接近ですので、たいへん面白い眺めです。この時期は日没が遅いため、少し薄暮が残るくらいの時刻に月を見つけて、早めに望遠鏡の視野に導入してみてください。かなり早い時間帯から火星の姿がわかるはずです。

 

 

★月とスピカが接近(6月6日)

6日20時頃、今度はおとめ座のスピカに月齢10.3の月が近づきます。
少し離れた接近なので、望遠鏡では低倍率でも視野からはみ出てしまいます。ここは双眼鏡の出番でしょう。月が少し眩しいですが、月を視野の端で隠すようにして見ると、見やすくなると思います。

  

  

参考リンク:

・スピカ(wikipedia) https://w.wiki/Ayee

 

★ 火星とレグルスが大接近(6月17日)

17日、しし座のレグルスに火星が接近します。これも、なるべく早い時刻から見始めるのがよいでしょう。
今回の接近は両星同時に30倍の望遠鏡の視野に入るので、これも大接近と言ってよいでしょう。
肉眼で見ると、ちょうどレグルスが二重星になったように見えるはずです。
この夜の火星は1.33等、レグルスが1.35等ですから、ほとんど同じ明るさです。

  

参考リンク:

・レグルス(wikipedia)  https://w.wiki/3PaG

★月とレグルスが大接近(6月29日)

今月は「接近ネタ」が多いですね。その最後は29日20時半前後に最接近する月とレグルスです。
これも大接近と言える接近で、30倍の望遠鏡の視野にすっぽり入ります。
月齢が4ですので、それほど月が眩しくなく見やすいです。また月の欠けた側に「地球照」も見られるはずで、さらに楽しめます。

 

 

参考リンク:

・地球照(wikipedia) https://w.wiki/EFdh

★月面見どころ「アルプス山脈」と「アルプス谷」

雨の海の東側に、円弧状に連なる3つの大山脈(アペニン、コーカサス、アルプス)があります。このうち北側にあるのがアルプス山脈です。
アルプス山脈のほぼ中央(若干西寄り)に北東~南西方向に巨大な谷間があるのがわかります。これがアルプス谷です。
谷間と言うより、巨大なひっかき傷みたいで、まさに奇観と言えます。
アルプス山脈の西側には見て楽しいプラトークレーターもあります。
アルプス山脈(谷)は、上弦の月から数日後くらいが見ごろです。

 

 

月面の図と画像は、南中時に肉眼で見た向き(正立像)で掲載しています。望遠鏡で見た場合は、天頂ミラー、天頂プリズムの使用の有無によって、倒立像や裏像になることがありますので、ご注意ください。

詳しくは以下のリンクを参照してください。

・スコープタウン(用語集)「天頂ミラー」
https://scopetown.jp/word/zenith-mirror/

今月の惑星

・水星:月末頃になると、明け方の東の低空で見られます。

・金星:1日に西方最大離角となるので、明け方の東天で輝いています。

・火星:先月かに座にいた火星はしし座に移動しました。夕方の西空に見えています。

・木星:6月25日に合となるので、当分見られません。木星を楽しめるのは9月頃からです。

・土星: 未明の南の空(うお座)にあります。

・天王星:未明の東の空(おうし座)にあります。

参考リンク:

・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cgi  

  

★今月の月

2025年6月は3日が上弦、満月が11日、下弦が19日、25日が新月です。

<月に接近する天体>

1日(日)火星(夕方~夜半前)
6日(金)スピカ(ほぼ一晩中見られる)
29日(日)レグルス(夕方~21時頃)

参考リンク:

・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi