☆ ごあいさつ
皆様こんにちは。
これを書いているのは6月中旬なのですが、まだ梅雨時だというのになんと暑いことか!! この調子でどんどん暑くなっていったらお盆の頃には摂氏70度くらいになってしまいます(そんなわけないって・・・)。
せめて夜くらいは涼しい風が頬を撫でてくれて、縁台にでも腰掛けて星が見られるとよいですね。縁台の脇には蚊取り線香に冷えたスイカ・・・・堪えられませんね。
というわけで、7月の星空情報をお送りいたします。

★夏の大三角と二重星「アルビレオ」
ベガ、アルタイル、デネブの3星で構成される夏の大三角は、冬の大三角にくらべると、少しいびつな形の三角形ですが、それでも明るさでは負けていません。ベガ(織姫)、アルタイル(彦星)をはさんで天の川が流れ、その上を白鳥が翼を広げ悠々と飛翔する・・・・これもまた夏の眺めです。
白鳥のくちばしの位置にあるのがアルビレオ(βCyg)です。オレンジとブルーの二重星で、低倍率の望遠鏡でもその美しさがよくわかります。むしろ低倍率の方が、その美しい色が強調されるので、楽しめます。
全天できれいな重星はたくさんありますが、天文ファンにアンケートをとると、いつでもアルビレオが1位。花形中の花形です。
ベガとアルタイルのほぼ中間にあり、3等星ですから、アルビレオ自体は都会地でも肉眼で見つけられます。
まずは、見てみましょう。宮沢賢治が「銀河鉄道の夜」でサファイヤとトパーズに例えていますが、それ以上の美しさかもしれません。


参考リンク:
・夏の大三角(wikipedia) https://w.wiki/3Xzy
・アルビレオ(wikipedia) https://w.wiki/3$5S
★お茶をどうぞ、南のティーポット
南の空に目を転じると、さそり座に連れられ、いて座が上がってきています。このいて座はケンタウルス族の半人半馬の弓の名手、ケイローンの姿なのですが、その姿をイメージするのはちょっと難しいかもしれません。
このいて座、星座線のつなぎ方をちょっといじると、ティーポット(急須)に見立てられます。というかその方が自然な感じです。
これに最初に気付いた人は誰なのか、今となってはわかりませんが、うまいところに気が付いたものです。
よく見ると天の川がポットの口から立ち上がる湯気に見えないこともありません。少し下のみなみのかんむり座はレモンのスライスに見えます。
★月がスピカに接近(7月3日)
7月も月とスピカの接近があります。3日20時30分頃、月齢は8ですので、先月の接近より若干見やすいと思います。
今回も少し離れた接近なので、望遠鏡では低倍率でも視野からはみ出てしまいます。ぜひ双眼鏡を向けてみましょう。

参考リンク:
・スピカ(wikipedia) https://w.wiki/Ayee
★ 七夕の晩、月がアンタレスに接近
7日、月とさそり座のアンタレス(αSco)が接近します。月が少々太っていて眩しいのですが、このあたりは星数が多いので、楽しめると思います。

参考リンク:
・アンタレス(wikipedia) https://w.wiki/5LPD
★土星が見えてきました
土星が見やすくなってきました。今年初めの環の消失以来ちょっと見ずらい位置にいたのですが、やっと楽しめるようになりました。
今年はまだ環の傾きが少ない「薄い環」ですが、これもまた趣があって良いものです。
今のうちから毎年見ておけば、環の傾きの変化を実感できるので、まずは望遠鏡を向けてみてください。


参考リンク:
・土星(wikipedia) https://w.wiki/3QmD
★明け方の空が賑やかです
夜半をすぎ、明け方近くなると東の空が俄然賑やかになってきます。いよいよ派手な冬の星座が上がりはじめ、さらに金星が彩を添えています(金星は10日にヒヤデス星団に接近します)。
木星はまだ難しいですが、来月になれば見えてきます。

今月の惑星
・水星:7月4日に東方最大離角となり、前後1週間程度は夕方の西の低空で見られます。
・金星:明け方の東の空で輝いています。小望遠鏡でも形がわかります。
・火星:先月に引き続きしし座にいます。夕方の西空に見えていますが、20時頃には沈みます。
・木星:まだ太陽に近く見るのは困難です。下旬になると日の出直前の東のごく低空に見えてきます。
・土星: うお座にあり夜半前に上がります。下旬になるとかなり見やすくなります。
・天王星:夜半すぎの東の空(おうし座)にあります。
参考リンク:
・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)
https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cgi
★今月の月
2025年7月は3日が上弦、満月が11日、下弦が18日、25日が新月です。
<月に接近する天体>
3日(月)おとめ座のスピカ(夕方~23時頃)
7日(月)さそり座のアンタレス(夕方~夜半頃)
16日(水)土星(23時頃~明け方)
28日(日)火星(20時頃の西のごく低空)
参考リンク:
・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。
https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi