「見たい星の位置を調べ、実際の夜空で見つける」にはどうすればいいのでしょうか。

「今日は土星のリングを見たいなぁ。」と思ったとしましょう。

今日は土星は見えるのか。見えるとしたら空のどの場所に見えるのか。調べなければなりません。

見えている位置は、同じ日でも見る時間によってどんどん変わっていくのである程度正確に知らないといけません。

その一番かんたんな方法のひとつを説明したいと思います。

プラネタリウムソフト「スーパースター」を使う方法です。

大変便利なソフトで、星空を見たい年月日と時間を指定するだけで、星座の位置だけでなく、月、土星や金星などのすべての惑星が空のどの場所に見えているかをパソコンの画面に表示してくれます。

このようなソフトをプラネタリウムソフトと言いますが、スコープテック用のスーパースターは初心者でも使いやすく、そして市販されるスーパースターではもっともお求めやすい価格になっています。

WINDOWS98以上であれば、最新のWINDOWS10でも使えます。

この「土星」を実際の夜空でどのように見つければ良いのでしょうか。その方法を説明します。


↑スーパースターのアイコンをダブルクリックすると、まず最初に起動画面が表示されます。そうしたら枠内をクリックしてください。


↑すると上のような画面が開きます。現在の南の方向の空のようすが表示されます。 この画面の場合は2015年8月30日午前10時59分の南の空のようすが表示されています。


↑一番上の観測地のタブをクリックすると、日本全国の地名が出てきますから、リストから近い場所を選んで選択するとより正確な表示となります。
再び、星座早見タブをクリックし戻ります。
次は観測年月日時の設定です。左側中段の年月日時分をクリックしてみてください。数字の上部をクリックすると時間がすすみ、数字の下部をクリックすると時間が戻ります。

ここでは、「2015年8月30日 19時00分」と設定しました。


↑南の空には、夏の星座の代表格である「さそり座」と「いて座」が並んで見えているのが分かりますね。

そして、さそり座の右側(西側)には、望遠鏡での観測対象として、もっとも人気のある「土星」が見えているのが分かります。

この「土星」を実際の夜空でどのように見つければ良いのでしょうか。
その方法を説明しましょう。

この時必ず必要なものがあります。コンパス(方位磁石)です。最近のスマートフォンには内蔵されているものもあります。その場合は付属のアプリで「コンパス」を使いましょう。

表示されている星図を見ましょう。土星に一番近い方位表示は、「南」ですね。南側の見通しの良いベランダや、南側ができるだけ開けている場所が良いでしょう。まずはコンパスで南がどちらの方向かしっかりと把握しましょう。

もう一度星図を見ますと、星図にはマス目がありますね。土星がこのマス目でいくつずれた場所にあるか、数えてみましょう。真南から右方向(西側)へマス目3つと1/3位。地平線からの高さマス目で3つのところに土星がある事が分かります。

このマス目一つは角度にして10度ですから、角度で表すと、真南から右方向に約33度、地平線から30度位のところに土星がある事が分かります。

このマス目ひとつ(角度にして10度)を身体の一部を使い測る方法があります。手の平を握り、じゃんけんのグーにします。腕をいっぱいに伸ばして、自分の目からみたグー(げんこつ)の横幅が10度になります。

<図版写真> 腕を伸ばして10度水平

<図版写真> 腕を伸ばして垂直10度

このようにコンパスが指し示す「南」からゲンコツを右方向に3つ重ね、さらに地平線(地平線が見えない時は目から水平方向に差し出した手の平の上に)ゲンコツを縦に三つ重ねた方向に目的の土星を見つける事ができるでしょう。

ここまでできれば、第一段階の「望遠鏡で見たい天体が空のどこに見えているかを把握すること。実際の星空でその天体を見つける方法」を習得した事になります。

この方法は、星座を見つけるのにも役立ちます。スーパースターに表示されている星座を構成する恒星や星の並びを見つけるのにとても便利な方法です。星座早見盤を使って星座を探すのはとても難しいものですが、この方法を使えば次々とあなたが知らない星座を星空から見つけ出す事ができるでしょう。