★ 今月の天文現象
7月7日は七夕ですが、この時期はあいにくの梅雨です。それでも、晴れた晩には夏の星々が私たちを楽しませてくれます。チャンスを狙って、楽しんでみてください。
食べ物だけでなく、天体望遠鏡のレンズにもカビが生えることがあります。湿度の高いこの季節は、特に注意が必要です。天気の悪いときは、望遠鏡の点検をお忘れなく。
◆ 金星が最大光度
宵の明星、西空の一番星です。7日に最大光度(-4.5等)になり、どの星より明るく輝いているので、すぐにわかります。望遠鏡で見ると「満ち欠け」がよくわかります。
また金星は、空の澄んだときには日中でも肉眼で見ることができます。難しいですが、試してみてください。
参考リンク:
・金星が最大光度’(国立天文台)
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/07-topics01.html
◆ 夕方の西空に惑星がずらり
今月は夕方の西の空に水星、金星、火星がずらりと揃い、さらにレグルス(しし座α星)まであり、とても賑やかです。
その上20、21日には細い月までが花を添え、見飽きない眺めです。
西側の開けた場所をあらかじめ探しておいて、暗くならないうちから観望の準備をしておくとよいでしょう。
◆ みずがめ座δ(デルタ)流星群
夏のはじまりの流星群で、7月31日に極大となります。夏休みに入った直後なので、キャンプなどで空のよいところに出かける機会があったら、見てみるのもよいでしょう。
ただ、予想出現数は1時間あたり5個程度と少なく、さらに今年は月明かりがあるため、残念ながらあまり期待はできません。流星観測に望遠鏡は不要です。できるだけ視界の広い場所で、肉眼で出現を待ってください。
参考リンク:
・主な流星群(国立天文台)
https://www.nao.ac.jp/astro/basic/major-meteor-shower.html
◆ 美しい二重星「コル・カロリ」
「コル・カロリ」はりょうけん座にある、ブルーと金色の色の対比がとても美しい二重星です。低倍率でも簡単に二つの星に分離できます。
3等星なので、肉眼で探すことができますが、都会地では難しいかもしれません。肉眼で見えない場合は、低倍率の双眼鏡で探してみるとよいでしょう。
<コル・カロリの探し方>
- まず北斗七星方向を向いて、頭の中に細長い三角定規を用意します。
- ひしゃくの先から柄に向かって3番目と5番目の星の間に三角定規の短い辺を当てます。そのとき三角定規の直角部分は5番目の星に当ててください。
- すると、三角定規の尖った角(30°)の近くに北斗七星の各星よりちょっと暗い星が見つかります。これがコル・カロリです。
参考リンク:
・りょうけん座α星(wikipedia)
https://w.wiki/6n6f
★ 今月の惑星
水星:1日に外合となりますが、太陽に近く、うっかり望遠鏡の視野に太陽が入ってしまうと非常に危険ですので、日中の観望はお勧めできません。望遠鏡で水星を探す場合は、必ず太陽本体が地平線下に沈んでからにしてください。
金星:今月の天文現象に記載のとおり見頃です。
火星:夕方の西空低く輝いています(1.7等)。だいぶ遠ざかってしまったので、望遠鏡を使っても、形や表面模様まではわからないと思います。
木星:午前0時頃上がりますが、夜半前はまだ低く、観望には適していません。それでもガリレオ衛星の動きなどが楽しめると思います。
土星:21時頃、東の空に上がってきます。23時頃になると観望しやすい高さまで上がるので、あの美しく不思議な環(わ)を楽しむことができます。週末など夜ふかしできるときに、ぜひご覧ください。
★ 今月の月
月は小さい天体望遠鏡でもよく見え、どなたでも楽しめる天体です。また、月は月齢によって見える区域が変わってきます。山岳地帯や海(といっても水はありません)、大小さまざまなクレーターなど、月齢により見える区域や見え方が変わるので、毎晩見ても興味が尽きません。
とはいえ、あまり夜ふかしのできない方は、上弦の月前後がもっとも楽しめます。7月は満月が3日、下弦が10日、新月は18日。上弦が26日、8月2日に再び満月になります。ですので、7月は20日から31日あたりの下旬がもっとも月を楽しめる時期です。
参考リンク:
・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。
https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi