☆ ごあいさつ
紫金山・アトラス彗星はご覧になれましたか?
私は、10月13日に1回だけ見ることができました。その後天候不良となり、彗星は雲の向こうに・・・・。晴れたら再度見てみたかったのですが、思いのほか暗くなってしまい、都会地では見ることができなくなりました。
さて、だいぶ寒くなってきました、夕暮れの西空には金星が輝いています。
それでは11月の星空情報をお届けいたします。
好きなもの いちごコーヒー花美人 ふところ手して宇宙見物 寺田寅彦
★ 東の空が大にぎわい
冬の夜空には多くの一等星があり、他の季節に比べ相当派手です。
その上今シーズンは、火星と木星が輝いており、一段と賑わっています。
おっと今シーズンのベテルギウスは明るいか?暗いか?・・・・★
★ベテルギウスは寿命を迎えつつある赤色超巨星で、いつ爆発してもおかしくないと言われています。そのためひじょうに不安定で、不規則に変光することがあります。
★今月も土星が見ごろ
土星は現在みずがめ座にあり、一晩中観測可能です。
環の傾きがたいへん浅くなっており、それはそれで不思議な光景を見ることができます。口径3㎝以上の望遠鏡ならば、串刺しのお団子みたいな土星の姿がバッチリわかります(もちろん口径が大きいほどよく見えますが)。
環は来年春に消失(見えなくなる)しますので、とにかく今年は見ておきたいものです。
環の消失について、下のリンク先にわかりやすい図があります。
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2024/09-topics01.html
参考リンク:
・土星(Wikipedia)
★火星がプレセペの近くを行ったり来たり
火星がM44(プレセペ星団)の近くにいます。
火星は12月8日に順行から逆行に移ります(このときを「留」と言います)。
今回の留はプレセペのすぐ近くで起き、留の前後は火星の動きが非常にゆっくりになるため、今回の火星とプレセペの接近は、かなり長い間楽しむことができます。
プレセペのと火星の相互位置を毎晩確認して、略図でよいのでスケッチをとっておくと、よい記録(記念にも)なるでしょう。
参考リンク:
・プレセペ星団(Wikipedia)
・火星(Wikipedia)
★火星と月とプレセペが双眼鏡の同一視野に(11月21日)
このように火星とプレセペが近接するのですが、11月21日(午前3時頃)にさらに月が近づきます。月齢19で月明が少し明るいのですが、火星と月とプレセペが双眼鏡の同一視野内に見られるというのは面白いと思います。
こういう対象は、広視界・低倍率の双眼鏡の独壇場と言えましょう。
★プレアデスと天王星の接近
現在天王星はプレアデスにひじょうに近く、倍率にもよりますが、ほぼ双眼鏡の同一視野に入ってしまいます。
天王星は5.6等ですので、肉眼で見るのはちょっと難しいですが、双眼鏡を使えば(月明かりがないなら)見ることができます。
天王星はペパーミントブルーの美しい惑星です。これは天王星大気中に1.99%含まれているメタンによるものです。天体望遠鏡をお持ちの方は、美しい色を楽しんでみてください。
参考リンク:
・天王星(Wikipedia)
★今月の惑星
・水星:11月16日に東方最大離角になり、この前後には夕方の西空低く見えます。
・金星:一番星、宵の明星として夕方の西空に輝いています。
・火星:22時台に昇ります。プレセペのすぐ近くにいます。現在視直径は10秒角程度ですが、これから1月の最接近に向けて大きくなっていきます。
・木星:おうし座のツノの間にいて、18~19時台に昇ります。観望の好期を迎えています。
・土星:一晩中見られます。観望の好期です。
・天王星:プレアデスの近くにいます。
参考リンク:
・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)
https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cgi
★今月の月
11月は1日が新月、上弦が9日、満月が16日、下弦が23日です。
参考リンク:
・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。