星空情報臨時版です。
今回は、5月22日をピークとする夕方から宵にかけての金星と水星の大接近についてお知らせします。

5月22日夕方19時15分、東京から見た場合のシミュレーション。

5月20日頃から25日頃にかけての夕方、西北西の方向の低空で金星と水星が非常に近づきます。
一番近づいて見えるのは22日の夕方です。
小型双眼鏡(例:5×21、視野11度程度)で見ると20日頃~25日頃にかけて、金星・水星を一緒に見ることができます。
そしてラプトル・アトラスのような小型望遠鏡なら、5月22日の宵の頃に30~40倍程度の倍率でひとつの視野に一緒に見ることができます。

5/22夕方、弊社望遠鏡の低倍率で見た場合の視野。

また、24日には細い月(月齢2)が金星の少し左に並びます。
5倍~7倍程度の小型双眼鏡なら、金星・水星・細い月をひとつの視野で見ることができます。

5/24夕方、小型双眼鏡で見た場合の視野。

10度以下の低空を見る場合望遠鏡の天頂ミラーは使わず、接眼レンズを直接、接眼部に付けた方が見やすいでしょう。
その場合、ピント合わせでドローチューブはいつもより長く伸ばさないとピントが合わないことと、見え方は上下左右逆の逆さまに見えます。

また注意しなければいけないのは、明るい星が見え始める日没後30分で西北西・地平線からの高度が22日は約10度、24日は金星が8度と低い位置に見えていて、地平線に沈むのも早いことです。
西側に山や建物がある場合はもっと早目に見えなくなるため、下記2点が大事です。

・あらかじめ方位磁石や地図(グーグルマップや紙の地図どちらでもOK)で、
 西北西方向の見える範囲や建物を確かめておくこと
・地平線からの高度も10度以下までどのくらい見えるか確かめておくこと

高度=角度で測ります。
自分の腕を体の前に伸ばして、手を握ってゲンコツを作ります。その状態で見たゲンコツの縦1個分が角度の約10度になります。

双眼鏡・望遠鏡で見る場合、日没の時間にも必ず注意してください。
双眼鏡・望遠鏡で誤って太陽を見てしまった場合、失明してしまう可能性があります。

5月22日の日没時刻(24日はさらに1~2分遅くなります)
※観察場所の位置が高い場所だと日没時刻も変わります。
※国立天文台・暦計算室「各地のこよみ」にて確認した値です。

札幌 18時58分
仙台 18時47分
東京 18時45分
大阪 18時59分
広島 19時11分
福岡 19時17分
那覇 19時13分

また参考になるリンクも下記にご紹介します。
・金星と水星が接近(国立天文台)
 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2020/05-topics02.html
・2020年5月下旬 水星と金星が大接近(アストロアーツ)
 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11219_ph200522
・2020年5月24日 細い月と水星、金星が接近(アストロアーツ)
 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11220_ph200524