★ 今月の天文現象

梅雨も明け、天体観望には楽しい季節になってきました。気の早いコオロギも鳴きはじめています。
地域によっては旧暦で七夕をお祝いするところもあり(今年の旧暦の七夕は8月22日です)夏の星々がきれいに輝いています。
この時期に、キャンプなど空のきれいなところに行く機会がある方は、ぜひよい環境でご覧になってみてください。

◎なお、弊社は8月11日(金)から21日(月)まで夏のお休みをいただきます。

この間はフリーダイヤル、メールでのお問い合わせもお休みいたします。 悪しからずご容赦ください。

ペルセウス座流星群が極大(8月13日)

8月といったらペルセウス座流星群。夏の風物詩といってもよいでしょう。とくに今年は月明かりがなく、今年のペルセウス座流星群は、条件が最良です。

ペルセウス座流星群は明るく力強い流星が多いので、どなたでも楽しめます。

極大は8月13日ですが、前後数日から10日くらいは多数の出現が期待できます。

<流星群の楽しみ方>

〇なるべく空の開けた、街灯などの少ない場所が観測に好適です。

〇椅子に腰かける、シートを敷いて寝そべるなど楽な姿勢で空の真上(天頂)近くを向いてください。あとは流星が流れるのを待つだけです。

〇こんなことを調べると面白いです。

 ・1時間にどのくらい流れるか?

 ・出現数が時間によって増減するか?

 ・流星の明るさはどのくらいか。どんな色をしているか?

 ・流れる方向は?

〇蚊に刺されないように長袖、長ズボンにしましょう。蚊取り線香や虫よけスプレーがあると良いです。また、夜間ですので、お子さんには、必ず保護者さんが付き添ってください。

参考リンク:

主な流星群(国立天文台)

https://www.nao.ac.jp/astro/basic/major-meteor-shower.html

◆水星を見よう

太陽に最も近い水星は、見ることがなかなか難しい天体です。今月は10日に東方最大離角となるので、夕方の西の空に見ることができます。それでもたいへん低空なので、西側が開けた場所を確保して、まだ明るい日没直後から観望の準備をしておくとよいでしょう。

◆見て楽しい星「コートハンガー」

コリンダー399とも呼ばれる、ひじょうに面白い星の配列です。5~7等級ですので肉眼では無理ですが、双眼鏡で楽しめます。
星をつなぐと服を掛けるハンガーのように見えます。またボートをこぐ人のようにも、ヨットのようにも見えます。カタカナの「ユ」みたいだという人もいます。あなたは何に見えるでしょうか。

<コートハンガーの探し方>
(1)こと座のベガ(おりひめ)とわし座のアルタイル(ひこぼし)を見つけてください。
(2) ベガとアルタイルを直線で結んで、だいたい3等分します。
(3) 3等分のアルタイル寄り(アルタイル 1:2 ベガ)のあたりを双眼鏡で探すと、ちいさくまとまった星の集団が見えます。これがコートハンガーです。

参考リンク:

コリンダー399(wikipedia)
https://w.wiki/6rpT 

★ 今月の惑星

土星:19時頃、東の空に上がってきますので、22時頃になると観望しやすい高さまで上がるので、あの美しく不思議な環(わ)を楽しむことができます。

木星:22時頃上がってきますので、まだ夜半から明け方にかけての観望が主になりますが、これからだんだんと観望の好機になっていきます。楕円形の姿、不思議な縞模様、ガリレオ衛星の動きなどが楽しめます。

火星:日没頃には地平線に没してしまう上、地球からだんだん遠ざかるため、当分は観望には不適当です。

金星:12日に内合になります。この時期は太陽に近く、うっかり望遠鏡の視野に太陽が入ると非常に危険ですので、観望はお勧めできません。

水星:10日の東方最大離角の前後が観望のチャンスです。

★ 今月の月

望遠鏡で初めて見る天体は月という方が、もっとも多いでしょう。
山あり谷あり、もちろん大小さまざまなクレーターもあります。それぞれの地形には名前が付いています。
望遠鏡で観察する際、少し慣れてきたら、地名を覚えるのも楽しいです。
8月は満月が2日、下弦が8日、新月は16日。上弦が24日、31日に再び満月になりますので、21日から27日あたりがもっとも月を楽しめる時期です。
なお、31日の満月は、今年いちばん月が大きく見える「スーパームーン」です。

参考リンク:

・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。
 https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi
 

★月面ビューポイント:プラトー

直径約100㎞の大型クレーターでプラトンとも呼ばれています。
東京湾よりずっと大きく、直径が東京-沼津間くらいあります。
クレーターの壁が内部に落とす影の形や長さが毎日変わるのが興味深く、上弦の月の翌日(月齢9)くらいから面白く見られます。
クレーター壁のそこかしこに崖崩れの痕跡やこれから崩れそうな箇所もあり、興味が尽きません。もしかすると、あなたも月面の崖崩れの瞬間に立ち会えるかもしれません。

参考リンク:

・月の地形一覧(wikipedia)
 https://w.wiki/6tW4