★ ごあいさつ
2月といえばバレンタインデー。チョコをもらう方、あげる方、自分で買って食べる方、どなたも元気でお過ごしでしょうか。
今月あたりから春の星が東の空にいろいろ見えてきます。月後半になると、寒さの緩む晩もあり、少し薄い上着でも快適に星見ができる日もありましょう。
でも風邪などひかないようにご自愛ください。(私の経験では、風邪をひくのは寒さより油断が原因の場合が大部分です)。
それでは2月の星空情報をお届けします。
★ 東日本で、しし座σ(シグマ)の星食(2月26日)
2月25日の夜半、じっさいは日付が26日に変わってから、しし座σ星の星食(掩蔽(えんぺい)とも言う)があります。この晩は満月直後のため月が明るいのですが、しし座σ星は4等星とそこそこ明るいので、双眼鏡があれば、潜入出現ともに見られると思います。
ただし、残念ながらこの星食は、静岡県より西側では起きません。
東海道線で言うと沼津と静岡の間あたりに「限界線」が来るはずです。
このあたりにお住まいの方は特に注目してください。
★ これはきれいな「冬のアルビレオ」(おおいぬ座145番星)
きれいな二重星と言うと、多くの方から、はくちょう座のアルビレオが一番という答えが返ってきます。たしかにきれいですが、あれは夏の星。
ところが、冬にもアルビレオのようなきれいな二重星があるのです。
それはおおいぬ座の145番(h3945)。
誰が呼んだか「冬のアルビレオ」。
主星が赤い4.8等、伴星がブルーの6.5等です。ちょっと暗めですが、色が深く濃く、私は本家アルビレオより美しいと思っています。
探し方はおおいぬ座の“タテ長でいびつな蝶ネクタイ”の結び目の直線を東側に1.5倍ていど伸ばすと、そこにあります。南に低いので、なるべく南が開けた場所でご覧ください。
★ カストル(ふたご座の暗い方)
ふたご座の双子星のカペラ寄りの星がカストルです(もうひとつがポルックス)。カストルは実視二重星です。
カストルAが1.9等級、カストルBが3.0等級です。二重星と書きましたが、実は何やらややこしいことになっていて、本当は6重連星になっているとか。でも私たちには二重星にしか見えません。詳しくは下の「参考リンク」へ。
カストルAとBの離角は5秒角くらいなので、口径6cm望遠鏡でなんとか二重星なのがわかります。
8cmになるとぐっと分離が楽になります。倍率は中~高倍率が良いと思いますが、いろいろ変えて見るのも重星観望の楽しみです。
参考リンク:
カストル(恒星)(wikipedia)
★ 今月の惑星
・水星:2月27日に外合となるため見られません。
・金星:明けの明星として、未明の東空に輝いています。明け方かなり明るくなってからでも見られます。
・火星:引き続き地球から遠くにありますが、明け方の南東の空(ひじょうに低空)に見られるようになりました。ただ視直径がとても小さいので、表面などはとんど見られません。
・木星:夕方の西の空に薄暮の頃から見えています。冬は気流が悪いので、表面の模様などはゆらゆらして見ずらいですが、気流よい晩もなくはないので、とにかく見てみましょう。
・土星:夕方、南西の空にあります。だいぶ低くなっており、18時頃に沈んでしまいます。が、ちょっと観望するのにはじゅうぶんです。今後当分は環の傾斜が浅くなっていきますので、土星の環をまだ見たことがない方は、ぜひご覧ください。
・天王星:17時頃南中ですので、まだ見やすい位置にいます。5.6等と暗い星ですが、水色の美しい惑星です。ぜひご覧ください。
参考リンク:
・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)
https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cg
★ 月面ビューポイント:アリスタルコスクレーター
嵐の大洋北部にあります。直径約40kmの中型クレーターですが、深さは3.7kmとほぼ富士山の高さくらいあります。この一帯はアリスタルコス台地と言い、その一角にアリスタルコスクレーターはあります。
このアリスタルコスは月面の中で、もっとも明るいクレーターです。 アリスタルコスが明るいのは、形成されたのが4億5千万年前と若く、あまり風化されていないためと考えられています。
アリスタルコスは昔からTLP(月面発光現象)が多く報告されています。多くは目の錯覚や望遠鏡内部の乱反射等による誤認と言われていますが、それでも報告の3分の1以上がアリスタルコスからというのは、興味深いものがあります。
近くには、アリスタルコス台地を貫いて大きく蛇行する“シュレーター谷”がありますが、これも楽しい見ものです。
参考リンク:
アリスタルコス(クレーター)(wikipedia)
アリスタルコス(人物)については・・・(wikipedia)
★ 今月の月
2月は3日(節分)が下弦、10が新月で西空に回り、夕方に見やすくなり、17日が上弦、24日が満月です。
2月の満月は、北アメリカではスノームーン(Snow Moon)と呼ばれています。「雪月」ですね。いかにも季節らしく聞いただけで寒さに震えそうです。
これに「花」が付けば「雪・月・花」となって風流なのですが・・・・。
参考リンク:
・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。
https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi