★ ごあいさつ

だいぶ暖かくなってきました。こんにちは、スコープテックです。

3月といえばひな祭り。

この季節にふたご座を眺めていると、これは「ひな座」ではないかと思うことがあります。豪華な段飾りのひな人形ではなく、千代紙で作った素朴な立ち雛に見えてきます。カストルが女雛で、ポルックスが男雛というところでしょうか?

皆さんも、自分だけの星座を作ってみてはいかがでしょう。

それでは3月の星空情報をお届けします。

★プレセペ星団と月の接近(3月20日)

3月20日(祝)の20時頃、かに座のプレセペ星団(M44)に月が、ちょうど双眼鏡の視野に収まるくらいに接近します。

月が明るめなので、プレセペが見ずらいかもしれませんが、プレセペをご覧になったことのない方は、双眼鏡にまず月を入れて“あたり”をつけてご覧になってください。

参考リンク:

プレセペ星団(wikipedia)

https://w.wiki/6doQ

★金星と土星が接近・・・・近くには火星も(3月22日)

3月22日(金)の日の出直前の東南東の空で、金星と土星が接近します。その間隔は21分と近く、これはもう大接近と言ってよいでしょう。

望遠鏡の倍率を50~80倍ていどにすれば、同一視野に見え、かつ丸くなった金星と、土星の環もわかります。

近くには火星もいて、結構賑やかな明け方の空を楽しめるはずです。

ただし、高度が非常に低いので、東南東方向が開けた場所でご覧ください。

★水星が東方最大離角(3月25日)

水星の公転周期は88日ですから、東方最大離角も88日ごとに起きているわけで、それほどレアな現象ではありません。

ただ、水星は太陽からあまり離れることがなく、夕方や明け方の早い時間にしか見られません。たぶん、水星を見たことがないという方も結構いらっしゃると思います(あのケプラーも見たことがなかった)。

25日の東方最大離角は今年もっとも高度が上がり、見やすくなります。西空が開けた場所で、夕方のワンチャンスをものにしてください。

望遠鏡を向ける余裕がある場合は、高倍率で見てください。半月のような形がわかるはずです。できれば、日没前から「アタリ」をつけて視野内に導入しておけば、太陽が沈むにつれて、水星の色が変わっていくようすが楽しめます(ただしこれは水星本体の色の変化ではなく、地球の大気のいたずらです)。

参考リンク:

水星とは(JAXA)

https://mio.isas.jaxa.jp/mercury/

★ 春の大曲線

夏と冬の大三角形は有名ですが、それにくらべて春の大三角は、ひとつが2等星のためか、夏、冬の大三角にくらべ、ちょっとマイナー感があります。

その代わり、春には「大曲線」があります。

北斗七星の柄の部分から、アークトゥルス(うしかい座)、スピカ(おとめ座)を結び、からす座に至る雄大な曲線です。春の大三角がいまいちメジャーになれないのは、この大曲線があるからかもしれません。

20時頃東北の方を向いて空を見上げて、まず北斗七星を見つけて、柄の部分を伸ばしてください。麦星といわれているアークトゥルスと、真珠星と呼ばれているスピカの色の違いも楽しめます。終点のからす座がまた可愛らしい星座です。

参考リンク:

春の大曲線(wikipedia)

https://w.wiki/977q

★ 今月の惑星

・水星:前述のとおり25日に東方最大離角となり、夕方の西空に見えます。

・金星:明けの明星として、未明の東空に輝いています。だいぶ低くなってきましたが、明け方かなり明るくなってからでも見られます。

・火星:明け方の南東の低空に見られます。視直径がとても小さいので、表面などはとんど見られません。

・木星:夕方の西の空に薄暮の頃から見えています。だんだん西に移動し、没するのが早くなってきます。低空では、地球大気の影響でゆらゆらして見ずらいですが、気流よい晩もなくはないので、とにかく見てみましょう。

・土星:明け方に回り、前述のとおり東南東にあります。低空のため、写真やスケッチには向きませんが、時間があれば望遠鏡を向けてみてください。

・天王星:22時頃沈みますが、まだ見やすい位置にいます。5.6等と暗い星ですが、水色の美しい惑星です。ぜひご覧ください。

参考リンク:

・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cg

★ 今月の月

3月は4日が下弦、10日が新月で西空に回り、夕方に見やすくなり、17日が上弦、25日が満月です。

17日23時23分前後に「月面X」が見られます。

3月の満月は、北アメリカではワームムーン(WormMoon)とも呼ばれています。「芋虫月」ですね。冬眠していた虫たちが目を覚ます頃というわけです。

参考リンク:

・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。
 https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi