★ ごあいさつ

皆さまご機嫌いかがでしょうか。
6月といえばつゆ。今は梅雨と書きますが、その昔は黴雨と書いて「つゆ」と読んだそうです。
なるほど雨の季節はカビの季節です。
食品だけでなく、望遠鏡や双眼鏡のレンズにもカビが生えることがあるので、ご注意ください。
今年は6月21日が夏至。真夏はもうすぐです。
それでは6月の星空情報をお届けします。

参考リンク:

レンズにカビ(スコープタウン/コラム)

 https://scopetown.jp/2019/03/2057/

★全国で見られる「おとめ座β星の食」(6月14日)

6月14日(金)、おとめ座β星(βVir)が上弦の月に隠されます。
乙女の左肩の翼あたりの星です。あ、乙女はこちらを向いているという前提です。お間違えのないように。
3.6等星ですので、双眼鏡でじゅうぶんに楽しめます。
暗入、明出で、主な都市の入出時刻と地平高度は以下のとおりです。

札幌 22:23 → 23:07 (17~9度)
仙台 22:29 → 23:19 (18~8度)
東京 22:32 → 23:26 (19~8度)
大阪 22:29 → 23:27 (23~11度)
福岡 22:26 → 23:29 (28~15度)
那覇 22:35 → 23:44 (30~15度)

参考リンク:

掩蔽(wikipedia)
 https://w.wiki/_ssn7

おとめ座ベータ星(wikipedia)
 https://w.wiki/_ssn9

★6月20日、夕方のアンタレス食(ただし関東以西)

6月20日(木)、さそり座のアンタレス(αSco)が月に隠され、東京ではほぼ接食になります。
この晩の月は満月前で月齢14でちょっと明るすぎるのと、夕方早い現象のため高度が低すぎ、また薄暮の中の現象という難しさはあります。しかしアンタレスは1等星ですから、東の空が晴れていればなんとか見られる現象です。

関東より東の方では、食を見ることができませんが、月とアンタレスがひじょうに接近するわけで、これは見ない手はないと思います。
暗入、明出で、主な都市の入出時刻と地平高度は以下のとおりです。

札幌 食されない
仙台 食されない
東京 18:47 → 18:58 (11~12度)
大阪 18:30 → 19:09 (6~12度)
福岡 18:20 → 19:12 (2~10度)
那覇 18:11 → 19:15 (2~14度)

参考リンク:

参考リンク:
アンタレス(wikipedia)
 https://w.wiki/_xhep

★さそり座δ、今年の明るさは?

さそり座の頭の星、さそり座δ星(δSco)ジュバは2.3等の平凡な星ですが、実は爆発型の変光星で不規則に増光することがあります。
前々回は2000年、前回は2011年に増光があり、もう少しでさそり座に二つ目の1等星ができるのではというくらいまで明るくなりました。
δ星のすぐ上のβ星は2.5等、すぐ下のπ星は2.8等です。普通の方の眼には、通常この3つの星の明るさはほとんど同じに感じると思います。
つまり、両隣に比較星があるのですから、δ星増光はひじょうにわかりやすいというわけです。

参考リンク:

参考リンク:
さそり座デルタ星(wikipedia)
 https://w.wiki/_ssm$

★かんむり座T、増光はまだか!?

前回「号外」で紹介しましたT CrBは、この文を記している現在(5月30日)は、まだ増光(爆発)していないようです。
いつ爆発するか?明日かもしれませんし、当分先かもしれませんが、注目の天文現象です。
あ、爆発と言っても心配いりません。T CrBは地球から3000光年の彼方ですから・・・・ということは近々増光があっても、それは3000年前の出来事、ということになりますね。

参考リンク:

かんむり座T星(wikipedia)
 https://w.wiki/_tAc4

★ 今月の惑星

外惑星のほとんどが、明け方の空にいて、観望・観測のための条件は相変わらずよくありません。もう秋まではひたすらガマンです。
・水星:6月15日に外合となり、夕方の西空のごく低い空にいます。
・金星:6月4日に外合となりちょうど太陽の向こう側にあるため、見られません。
・火星:深夜1時半頃に出て、14~15時台に沈みますので、相変わらず見ずらいでしょう。6月3日の明け方の東空で月と接近します。
・木星:5月19日に合となり、明け方に回りました。払暁3時台に出て、17時台に没します。ほとんど日中に出ているのでまだ見ずらいです。
・土星:23時台に東の地平線から上がり、明け方の東の空に見えています。
・天王星:太陽に近いため、ほとんど見ることができません。

参考リンク:

・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)

 https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cgi

★ 今月の月

6月は6日が新月で西空に回り、夕方から見やすくなり、14日が上弦、22日が満月。29日が下弦の月です。
6月の満月は、ストロベリームーン(苺月)いう別称があります。
と言っても月が赤くなるわけではありません。アメリカの農業暦に由来するものですから“イチゴがおいしくなる月”くらいに考えておけばよいでしょう。
おだんごの代わりにイチゴをお供えするというのも、ベリーグッドかもしれません。

月よりも星のしづくの苺摘む(神蔵 器)

参考リンク:

・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。
 https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi