10月、木星と土星が宵の早い時間に南東~南の空で見やすくなっています。
月と金星、水星にも注目の現象アリです!

☆おすすめの天文現象

・月と金星の接近
9日と10日の夕方から宵にかけて、南西の低空で細い月と金星が近づきます。地上の景色とからめて眺めると良いでしょう。
9日:月齢3の細い月の左に金星が見えます。
10日:月齢3.9の月の右下に金星が見えます。

10日の月のすぐ下にはさそり座の1等星アンタレスも赤く見えますが、アンタレスが見える頃には10度以下の超低空なのでわかりづらいかもしれません。

参考リンク:月が金星に接近(国立天文台)

・金星とアンタレスの大接近
12日~22日宵 南西の低空で金星と、さそり座1等星アンタレスが非常に近づきます。
10度前後の低空なので、肉眼ではアンタレスは見つけづらいかもしれません。

参考リンク:金星とアンタレスが大接近(アストロアーツ)

・土星と木星が見頃

土星と木星は引き続き良い条件で両方とも一晩中見えています。
土星も木星も18時前から姿を見せています。土星も木星も地平線から高度が高くなるほど大気の揺らぎの影響が小さくなるので、環や縞模様が見やすくなります。
10月中旬の19時頃には2惑星ともほぼ南の一番高い位置に見えます。

また14日~15日夜、月が土星・木星の近くを通ります。
14日は土星の下に、15日は木星の下に月が見えるので、月を目印に土星・木星を見つけるチャンスです。

参考リンク:
月が土星、木星に接近(国立天文台)
土星(アストロアーツ)
木星とガリレオ衛星(アストロアーツ)

・水星の西方最大離角(21日~31日が見頃)
25日明け方、東~東南東の低空で水星が太陽の右側に一番離れて見える位置にきます(西方最大離角)。
21日~31日は日の出30分前に地平線からの高度が10度前後、0.1等~マイナス0.8等と明るいので、その期間見やすくなります。

見える機会の少ない水星を見つけるチャンスですが、日の出の時間にくれぐれも注意してください。各地の日の出20分前には見るのを止め、望遠鏡や双眼鏡に太陽光が入らぬようフタをして片付けましょう。
太陽を望遠鏡や双眼鏡で見ると、強力に集まる光と熱で一瞬で失明する可能性があります。

参考リンク:
水星が西方最大離角(国立天文台)
水星が西方最大離角(アストロアーツ)

・金星の東方最大離角
30日夕方から宵、南西の低空で金星が太陽の左側に一番離れて見える位置にきます(東方最大離角)。
望遠鏡で見るとちょうど半月のように見えます。
これから太陽に近づきつつ、徐々に欠けていきます。

参考リンク:
金星が東方最大離角(国立天文台)
金星が東方最大離角(アストロアーツ)

☆10月の惑星

・金星:日没後の南西の空に見えています。
    明るさはマイナス4.2等~マイナス4.4等です。

・土星:南南東~南の空に見えます。
    明るさは0.5等~0.6等です。

・木星:南東~南の空に見えます。
    明るさはマイナス2.7等~マイナス2.5等です。

・水星:10日以降は夜明け前の東の低空に姿を見せます。
    21日~31日の夜明け前が見頃です。

☆2021年10月の月齢と主な天文現象

6日 新月(月が太陽方向にあり観測出来ない)。

9日夜明け前 10月りゅう座流星群が活動のピーク。
       条件は良いですが、全天で1時間に数個以下の予想です。

9日宵・10日宵 南西の低空で細い月と金星が近づきます。

12日~22日宵 南西の低空で、さそり座1等星アンタレスと金星が非常に近づきます。

13日 上弦の半月 日没の時に南中(南の空で一番高い位置に来ます)
   月の観測のおすすめ時間帯は日没から夜9時位まで。地平線に近くならないうちに見ましょう。

14日 南南東~南の空で月と土星が近づきます。

15日 南東~南の空で月と木星が近づきます。

20日 満月(日没時に東の地平線からのぼってきます。)

21日 オリオン座流星群が活動のピーク。
   満月の翌日で月が夜空を一晩中明るく照らすため、条件は悪いです。

25日 明け方、水星が太陽の右側に一番離れて見える位置にきます(東方最大離角)。

29日 下弦の半月 深夜に東の地平線から上ってきます。観測のおすすめ時間帯は午前2時くらいから。

30日 宵の頃、金星が太陽の左側に一番離れて見える位置にきます(東方最大離角)。

☆田奈星空観望会は、新型コロナウイルスの国内での市中感染の状況判断により、中止となります。
今後の開催の可否は、国内の感染状況を見て後日お知らせいたします。
楽しみにされていた方には、大変申し訳ありませんが、あしからずご了承ください。