スコープテックは、対物レンズの性能を大事にしています。このことは、このホームページの中で何回も書いてきました。日本製の対物レンズはコストはかかるが、そのぶん良く見えると。
その性能を生かすために、スコープテックは、筒の中のつや消し処理や、遮光環の設置などでも決して手を抜きません。これもしつこいほど書いてきました。
対物レンズを邪魔しない
実はもうひとつ、対物レンズの性能を生かすためにしていることがあります。それは、ほかの光学系(レンズやプリズム)が、高い性能の対物レンズを邪魔しないようにすることです。
まず、接眼レンズは対物レンズとの相性を考えて、問題の無いものを付属させます。
そして、対物レンズと接眼レンズの間には、なるべく何もないほうが良いと考えます。余計なものを入れると像が悪化します。さすがに天頂ミラーはないと不便ですから、天頂ミラーは入れますが、それ以上は入れません。
際立つ他社との違い。スコープテックは見えることを優先する
例えば、他社のセットには、天頂ミラーのかわりに、正立天頂プリズムが入ることがあります。正立天頂プリズムは、像を正立にしてくれます(正立に関して詳しくは、用語集「天頂ミラー」をごらんください)。他には、バローレンズが付いたセットがあります。バローレンズは、倍率を2倍や3倍にあげてくれます。
正立天頂プリズムや、バローレンズが悪いとは言いません。素晴らしい性能のものもたくさんあります。しかし、そういうものはとても高価なのです。
セットに付属する正立天頂プリズムやバローレンズは、お世辞にも質がよいとはいえません。確実に像を悪化させます。しかしメーカーは、「初心者は正立でないと困るだろう」とか、「初心者は倍率が高いものを好むだろう」と勝手に考えて、それらを付属させています。
この感覚は、普段、初心者に接している私たちの感覚とは程遠いです。像が正立でなくでも、初心者はすぐに慣れてしまいます。倍率をいたずらに上げても、像が悪ければ感動は薄くなります。
感動に必要なのは「美しい像」
「初心者には、細かい像の良し悪しなんてわからないでしょう?」
メーカー関係者のみならず、天文愛好家の皆さんの中にもこのようにおっしゃる方がおられます。これは、私たちの感覚とは異なるものです。
なぜなら私たちは、スコープテックの「驚くほど見える望遠鏡」で月を見た子供たちが、驚き、興奮する姿をこの目で何度も見ているからです。
美しい像には、人を感動させる力があります。