★ 今月の天文現象

◆ 12日、水星が東方最大離角。

太陽と最も近いため非常に観察しづらい水星が、太陽の東側では最も離れた位置に入ります。そのとき、地球からの見た目でも太陽と少し離れるため、東方最大離角の前後何日かは夕方に水星を観察できるチャンスになります。

水星は、日没後、まだ明るい西の空の超低空あります。しかし0.2等星ながら太陽に近いので、太陽の明るさに負けてしまい、肉眼で見るのは難しいかもしれません。双眼鏡なら探しやすいですし、十分な明るさで見えます。望遠鏡で探す場合には光学ファインダーが必要になります。西に障害物のない場所に行き、金星を見つけて、その20度下の少し右を探すと見つけやすいはずです。

◆ 23日未明、こと座流星群が極大

※22日の27時頃です。23日の夜ではありません!

23日未明が見頃ですが、あまり数多く流れるわけではありません。人間の眼で天の川が見えるくらいの暗い場所でも、1時間に10個ほどと予想されています。

こと座流星群という名前ですが、こと座を中心として全方向に放射されるイメージで、流れ星は全天の色々な場所にに流れます。

なので、ビニールシートなどに寝っ転がり、空の全体をなるべく広くとらえられるように見ることが、たくさんの流れ星を見るためのコツです。

○○座流星群は、○○座を中心として全天で流れ星が見られます。○○座の付近でだけ流れるわけではありません。

参考リンク:

・2023年4月23日 4月こと座流星群が極大(アストロアーツ)
 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12977_ph230423

・4月こと座流星群の基本情報・観測条件(流星電波観測国際プロジェクト)
 https://www.amro-net.jp/meteor-info/meteor_2023.html#APR

◆ 23日、月と金星が接近。

残念ながら、天体望遠鏡の視野の中では月と金星を両方一度に見ることはできませんが、双眼鏡であれば一つの視野の中に収まります。もちろん肉眼でも楽しめますので、是非空を見上げてみてください。

真西よりも約20度北(右)方向に見えます。

参考リンク:

・月が金星、火星に接近(2023年4月)(国立天文台)
 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/04-topics03.html

・2023年4月23日 細い月と金星が大接近(アストロアーツ)
 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12807_ph230423

・日の出光学(上記のヒノデ双眼鏡を販売する、スコープテックの姉妹サイト)
 https://bino.hinode-opt.jp/column/hoshimi2.html/

◆ 26日、月と火星が接近。

こちらも残念ながら、天体望遠鏡の視野の中では月と金星を両方一度に見ることはできませんが、双眼鏡であれば一つの視野の中に収まります。もちろん肉眼でも楽しめますので、是非空を見上げてみてください。

ほぼ真西に見えます。

参考リンク:

・2023年4月26日 月と火星が接近(アストロアーツ)
 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12808_ph230426

・日の出光学(上記のヒノデ双眼鏡を販売する、スコープテックの姉妹サイト)
 https://bino.hinode-opt.jp/column/hoshimi2.html/

★ 今月の惑星

土星:明け方の低空に見えます。太陽の近くにあるため見づらく、見える時間も短いため観察には適しません。

木星:太陽に近すぎるため、見ることができません。

火星:日没後しばらくの間、ほぼ真西の空に見えています。見えてはいるものの、地球からの距離は離れているため、天体望遠鏡による高倍率での模様の観察には適していません。

金星:西の空に一番星として輝きます。-4等星という普通の星とは比較にならない明るさですから、すぐに見つけられるはずです。

水星:4月12日に東方最大離角です。詳しくは上の「今月の天文現象」で解説しました。

★ 今月の月

月を天体望遠鏡で見るときには、満月よりも、どちらかと言えばかけている月の方が面白いです。欠け際にあるクレーターが影を作り、クッキリと浮かび上がるからです。

月が夕方から夜にかけての観察しやすい時間(18~23時くらい)に、見やすい位置に上がっているのは、新月の2日後くらいから満月の5日後くらいが目安です。

4月の満月は6日、新月は21日。5月6日に再び満月になります。
なので、前半は1~9日まで、後半は22~31日が月の観察には最適です。特に後半は月の欠け際が観察しやすくおすすめです。