7月、いよいよ木星と土星が見やすいシーズンです!

☆望遠鏡・双眼鏡におすすめの天文現象
・木星と土星が見頃(12月21日の超大接近に向けてじわじわ近づいていきます)
・5日夜~6日夜、南東~南の空で月が木星・土星に接近
・10日夜明け前、東の低空で金星が最大光度
・12日夜明け前(午前3時頃)南東の空で月と火星が接近&東の低空で金星とアルデバラン(おうし座1等星)が接近

木星と土星が、南東~南方向の空で夜半前に見やすくなります。
低空(地平線からの高度20度以下)にあるうちは大気の揺らぎの影響が大きく、木星の縞模様や土星の環がわかりにくいことが多いです。
地平線からの高度が20度以上になってから見ると良いでしょう。

また5日~6日にかけて、月が木星と土星の近くを通っていきます。
月を目印に木星と土星を見つけやすいチャンスです。

2020年7月5日夜22時、東京から見た南東方向の空。月は6日の位置も入れてあります。

10日夜明け前、東の低空で金星が最大光度(マイナス4.5等)になります。
ちょうどおうし座・ヒアデス星団のV字並びの真ん中辺りに見えている時で、12日のアルデバランとの接近前に見ておきたい光景です。

12日夜明け前は2つの接近を見ることができます。
11日深夜から12日夜明け前にかけて、南東方向の空で月と火星が接近します。
また12日夜明け前(午前3時頃)には別の位置、東北東の低空で金星とアルデバラン(おうし座1等星)の大接近も起きます。
おすすめは双眼鏡です。視野が広いので、5×21(視野11度)でも6×30(視野8.4度)でも、接近した月と火星、また金星とアルデバランのあるヒアデス星団をそれぞれひとつの視野で見ることができます。

2020年7月12日朝3時、東京から見た東北東~南東方向の空。
南東の空高いところで月と火星が近づき、東北東の低空で金星とアルデバランが近づきます。

望遠鏡の30~35倍の倍率なら金星とアルデバランをひとつの視野で見ることができます。40倍では両方とも視野の端っこになります。
月と火星は残念ながらひとつの視野には入りませんが、月を目印に火星を探しやすいでしょう。
直前に臨時版で図版も入れて、弊社ホームページや公式Facebook・Twitterで、またメールでも改めてお知らせする予定です。

下記に参考になるwebページをご紹介します。

真夜中の空で月と惑星の接近を楽しもう(国立天文台)

2020年7月中旬 金星とアルデバランが大接近(アストロアーツ)

2020年7月12日 月と火星が接近(アストロアーツ)

☆望遠鏡・双眼鏡を使わずに楽しめる天文現象

7月16日~26日頃の明け方、太陽系の7惑星が全て夜空に見えるチャンスがあります。
日の出1時間前~30分前の約30分と短い間ですが、南西と東北東の低空まで見渡せる場所なら、天王星と海王星を除く5惑星を肉眼で一度に見ることができます。
(天王星は天の川が見えるような良い空で肉眼でギリギリ見える明るさ、海王星は残念ながら肉眼では見えない)

惑星が勢ぞろい(2020年7月)(国立天文台)

2020年7月下旬 明け方の空に全惑星が見える(アストロアーツ)

見る順番は、南西の地平線近くで早く沈む木星からスタート。
木星のそばにいる土星・南南東の火星・東の低空に見える金星を見て、最後に東北東の超低空にいる水星を探します。
双眼鏡を使うともっと探しやすくなりますが、日の出の時間が迫っています。水星を見る前に見ている場所の日の出の時間を必ず確認してから双眼鏡を向けてください。

また「望遠鏡・双眼鏡にオススメの天文現象」は明るい星同士の接近なので、肉眼でももちろん楽しめます。

☆7月の惑星
・水星:7月下旬、夜明け前の東の低空に見えます。
    明るさは0.3等~マイナス0.4等です。

・金星:夜明け前の東北東の低空で「明けの明星」としてとても明るく見えています。
    明るさはマイナス4.5等~マイナス4.4等です。

・火星:深夜から夜明け前、南東方向の空に見えます。
    明るさはマイナス0.5等~マイナス1.1等です。

・木星と土星:南東~南方向の空に見えます。
       木星は明るさマイナス2.7等、土星は明るさ0.2等~0.1等です。

☆2020年7月の月齢と主な天文現象

5日 満月(日没時に東の地平線からのぼってきます。)
    南東~南南西の空で、月と木星が近づきます。

6日 南東~南南西の空で、月と土星が近づきます。

10日 金星が最大光度(マイナス4.5等)

12日 0時頃~夜明け前 南東の空で、月と火星が近づきます。
  午前3時頃 東北東の低空で、金星とアルデバランが近づきます。

13日 下弦の半月 深夜に東の地平線から上ってきます。観測のおすすめ時間帯は午前2時くらいから。

21日 新月(月が太陽方向にあり観測出来ない)。

23日 水星が太陽の右側に一番離れて見える位置にきます(西方最大離角)

27日 上弦の半月 日没の時に南中(南の空で一番高い位置に来ます)
   月の観測のおすすめ時間帯は日没から夜9時位まで。地平線に近くならないうちに見ましょう。

☆7月の星空観望会の中止について

7月25日(土)に予定しておりました田奈星空観望会は、新型コロナウイルスに伴う状況判断により、中止となります。
今後の開催の可否は、国内の感染状況を見て後日お知らせいたします。
楽しみにされていた方には、大変申し訳ありませんが、あしからずご了承ください。