★ 今月の天文現象
夏あんなに暑かったというのに、やはり冬は寒いですね。あたりまえですが・・・・
皆様お風邪など召さないようご注意ください。
派手な星座が多い冬は星見にはもってこい。天体望遠鏡よし双眼鏡またよしですが、帰宅時などちょっと空の開けた公園や、広場で夜空を見上げてみるのも楽しいです。今年のベテルギウスはいつもどおり明るさなのか、それとも・・・・なんて。
浜の真砂と星見の楽しみは汲めども尽きないものがあります。
今月もいろいろ楽しみましょうか。
★ ハレー彗星が遠日点(12月9日)
いきなり見えない天体の話で恐縮ですが、ほうき星の代名詞とも言うべきハレー彗星(周期75年)が、9日に遠日点を通過します。太陽からもっとも遠ざかる日です。
前回の近日点、つまり太陽にもっとも近づいたのは、1986年2月でした。あのときは、ハレーウイスキーやハレー彗星記念ビールなど便乗商品が多数出るほどのすさまじい人気でした。
あれから38年。
この日からハレー彗星は、太陽を回る長い旅の後半に入ります。
現在はもちろん見ることはできませんが、38年後の2061年7月に、ハレー彗星は太陽に再接近します。ハレー彗星との出会い(人によっては再会)のときを楽しみにしましょう!
参考リンク:
・ハレー彗星(wikipedia)
★ ふたご座流星群が極大<最高の条件>
冬の代表的な流星群で、3大流星群のひとつです。
14日(木)の夜(14日から15日にかけて)頃が最大になると考えられています。
今年は月明の影響がなく、最高の条件で観測できます。
ほぼ一晩中観測できますが、日没の薄明後だと輻射点が低いためあまり流れず、日付が15日に変わった深夜1時頃から払暁までが、もっとも多くの流星が流れます。
流星の出現数の予測は難しく、空の条件もあるので断定はできませんが、1時間あたり20~40個くらいは見られると思われます。
流星観測は難しくなく、とりあえず楽な体勢で空を見上げることだけです。公園の長ベンチやキャンプ用のベッドなどに寝転がって見るのが良いのですが、この季節は、途中で寝てしまうと大変なことになる可能性があるので、じゅうぶん注意してください。
このふたご座流星群の母天体は小惑星ファエトンと言われており、小惑星を母天体とする流星群は現在わかっている限りふたご座流星群だけです。(他の流星群の母天体はすべて彗星)
他の星を楽しんだり、時間あたりの出現数の変化を楽しんだりできますので、早い時間からの観測・観望もおおいに意味があるでしょう。
参考リンク:
・ふたご座流星群(wikipedia)
★ 木星は今月も観望好期
先月衝だった木星は、今月もほぼ夜どおし出ています。
木星は視直径が大きく、見て楽しい星です。はじめて見る方は、次のようなところを見てください。
◆ポイント1(しま模様)
なんといっても木星で目立つのは「しま模様」でしょう。
約10時間で1回転(つまり木星の1日は10時間ということです)結構早く
20分も眺めていると模様の移動がわかります。
◆ポイント2(丸くない)
木星の形をよく見てください。真ん丸ではないことにすぐ気づくはずです。
楕円形、みかんを横から見たような形に見えると思います。
◆ポイント3(4つのガリレオ衛星
木星には大小合わせて95個の衛星が発見されていますが、そのうち私たちが望遠鏡で見ることができるのはイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストの4つです。
発見者の名にちなんで「ガリレオ衛星」と呼ばれています。
▲実際はこんなに大きくは見えません
▼6~8cmで見るとこのくらいです
参考リンク:
・木星(wikipedia)
★ 月と有名天体が接近
今月は月が立て続けにいろいろな天体に接近し、どれも双眼鏡の視野にじゅうぶんに収まりますので、楽しい12月後半になるでしょう。
何かと忙しいこの時期ですが、双眼鏡をケースから出していつでもすぐに見られるようにしておくとよいでしょう。
◆月と土星が接近(12月17日、18日)
12月17日と18日の夕方、細い月と土星が接近します。月は空が明るいうちから見えているので、これを利用して“あたり”をつけて、明るいうちに土星が見えるかどうか、試してみるのも面白いでしょう。
◆月と木星が接近(12月22日)
12月22日、月と木星が接近します。明るい木星と月が双眼鏡の視野内でいっぺんに見られるので、なかなかの見ものです。最も接近するのは22時頃です。
12月22日22時・・・・わかりやすい日時です。
◆月とすばるが接近(12月24日)
12月24日クリスマスイブの夜、月とプレアデス星団(すばる)が接近します。大切な人と一緒に見るもよし、遠く離れていても同じ晩に同じ星を見るのもよし。これはなかなか素敵な聖夜になりそうです。
それはそうと、月とすばるを一緒に見ると、ちょうど月はすばるの四辺形の中にすっぽり入るくらいの大きさだということがわかります。すばるの見かけの大きさが意外に大きい(あるいは月が意外に小さい)ことを感じてください。
★ 宇宙のスカイツリー オリオン座σ
三つ星の近くにオリオン座σ(シグマ)という星があります。このσ星は肉眼では4等のごくふつうの星ですが、天体望遠鏡で見ると、これが多重星で、ちょうど東京スカイツリーのような配列をしています。ちゃんと展望台の明かりまであります。
三つ星のすぐ近くなので肉眼でも楽に探せます。
(1)三つ星をだいたい直線で結んでください。
(2)三つ星のいちばん左の星から直線を下の方に直角に折り曲げると4等星の星があります(都会地でもなんとか肉眼で見えると思います)。これがオリオン座σ星です。
望遠鏡では高めの倍率が向いています。お持ちのアイピース(接眼レンズ)の中でもっとも焦点距離の短い(数字の小さい)ものを使うのが形がわかりやすいです。うまく導入できない場合は、まず低~中倍率のアイピースでσ星を視野中央に入れ、そのあとアイピースを高倍率に差し替えるとよいでしょう。
以前は「宇宙の東京タワー」と解説していたのですが、最近は、本家東京タワーには申し訳ないのですが「宇宙のスカイツリー」と言うようにしました。あなたはどちらに見えましたか?
参考リンク:
・オリオン座シグマ星(wikipedia)
★ 今月の惑星
・水星:12月4日東方最大離角になり、その頃は夕方の西の低空に見えてきます。ただ日没時の高度が10°程度と低く見ずらいですが、チャレンジしてみてください。
・金星:明けの明星として、未明の東空にひじょうに明るく輝いています。夜明けが遅い時期なので、少し早起きしただけ楽しめます。
・火星:引き続き地球からもっとも遠くなる時期なので、見られません。
・木星:ほぼ一晩中見えています。引き続き観望の好期です。楕円形の外形、表面の縞模様、ガリレオ衛星などが小口径の望遠鏡でも楽しめます。
・土星:だいぶ沈むのが早くなってきましたが、夕方の南空に輝いています。今後当分は環の傾斜が浅くなっていきますので、ぜひ今のうちに楽しんでください。
・天王星:11月14日に衝になったばかりなので、観望の好期です。5.6等と暗い星ですが、水色の美しい惑星です。ぜひご覧ください。
★ 今月の月
月を天体望遠鏡で見るときには、満月よりも、どちらかと言えば欠けている月の方が面白いです。欠け際にあるクレーターが影を作り、よりクッキリと見えるからです。また、空がまだ薄明るい状態でも月は見えますが、鮮やかで美しい像を見たければ、やはり、日の入り後1~2時間以上あとの暗い空で観察するのがおすすめです。
12月は5日が下弦、13日が新月で西空に回り、夕方に見やすくなり、20日が上弦、、27日が満月です。
参考リンク:
・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。
https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi