☆ ごあいさつ

酷暑もどうにかひと段落し、セミの声もコオロギにとって代わる季節となりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
日没も早くなり、天体観望が好期となってきましたが、困るのは台風の接近。昨今の気象は予想がつかないことが多くて困ります。皆さまも、お気をつけください。
それでは9月の星空情報をお届けいたします。

月をこそながめなれしか星の夜の深きあはれを今宵知りぬる 建礼門院右京大夫

★ 土星が見ごろ

現在みずがめ座にある土星は9月8日に衝になり、一晩中観測可能です。
環の傾きがたいへん少なくなっており、それはそれで不思議な光景を見ることができます。

環は来年春に消失(見えなくなる)しますので、とにかく今年は見ておきたいものです。

参考リンク:

・土星(Wikipedia)

https://w.wiki/_zdGp

★水星の西方最大離角(9月5日未明)

明け方の東天低く、水星を見ることができます。
水星の公転周期は88日と短く、最大離角は年6回程度起きるため、それほど珍しい現象ではありません。しかし、水星を見るチャンスは意外に少ないですので、お時間がありかつ早起きできるようでしたら、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

参考リンク:

・水星とは(JAXA)

https://mio.isas.jaxa.jp/mercury/

★月と金星が接近(9月5日夕方)

9月5日の夕方、西のごく低空で、金星に月齢2.3の細い月が接近します。5°前後とひじょうに低い上に、すぐ沈んでしまうので、見るのは難しいと思いますが、ビルの屋上など西天がひらけた場所を確保できるようでしたら、ご覧になってください。

参考リンク:

・金星の概要(JAXA)

https://www.jaxa.jp/countdown/f17/overview/venus_j.html

★中秋の名月と土星の接近(9月17日)

観望好期の土星に中秋の名月が接近します。
時間をおいて見てみると、月が土星に近づき、また遠ざかっていくのがわかり、面白いと思います。

★金星とスピカが接近(9月18日)

夕方の西の低空で起きます。どちらも明るい星ですが、ごく低空で起き、すぐ地平線下に没してしまうので、観望は難しいかもしれません。

参考リンク:

・スピカ(Wikipedia)

https://w.wiki/_s4PP

★月が火星、木星に接近(9月23~26日)

23日から26日(22日の夜ふけから25日の夜ふけ)にかけで、月が木星、火星にたて続けに接近します。
なお、23日にはプレアデスに接近します。これも面白いでしょう。

★見ておもしろい“mel20”

mel(メロッテ)20はペルセウス座α星(αper)を取り巻く散開星団で、「ペルセウス座アルファ星団」「ペルセウス座運動星団」とも呼ばれています。
ペルセウス座αを双眼鏡の視野に入れれば、そこにmel20はあります。αperは2等ですから、都会地でも探すのは容易でしょう。見つけられないときは、カシオペア座のW形からたどってみてください。
約3°の広がりがあるので、双眼鏡での観望に向いています。望遠鏡の場合は、とにかく最低倍率で見てください。
近くに二重星団(h+χ)があるので、どうしてもそちらの方が目立ってしまい、ちょっと気の毒な星団ではあります。

  

参考リンク:

・ペルセウス座アルファ星団(Wikipedia)

https://w.wiki/_s4PN

★今月の惑星

・水星:5日の西方最大離角前後に明け方の東空で見られます。
・金星:まだ低空ですが、夕方の西空に輝いています。
・火星:深夜に昇り、明け方の東空で木星の近くにいます。
・木星:深夜に昇り、明け方の東空で火星の近くにいます。
・土星:みずがめ座で一晩中見えています。観望の絶好期です。
・天王星:夜半前に昇ります。プレアデスの近くにいます。 

参考リンク:

・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cgi

★今月の月

9月は3日が新月、上弦が11日、満月が18日で部分月食がありますが、日本からは見えません。下弦が25日です。
17日が「中秋の名月」ですが、今年は満月ではありません。

参考リンク:

・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi