☆ ごあいさつ
皆様、こんにちは。
3月3日は「ひな祭り皆既月食」です。
今回の皆既月食は、ひじょうによい時間帯で起きます。望遠鏡をお持ちの方は望遠鏡の準備を、双眼鏡を愛用の方は双眼鏡を準備をお忘れなく。
詳細時間帯や観測方法、楽しみ方を後述していますので、参考にされて、この好条件の皆既月食を存分に堪能してください。
それでは、3月の星空情報をお届けいたします。

★3月の夜空
だいぶ日没が遅くなり、夕方とは明るいものだと思うようになる季節です。
親しんだ冬の大三角も木星も西に傾き、春の大曲線までのが東の空に上がるまでの暫くの間、レグルスが冬と春の中継ぎ投手として頑張って光っています。
北東からは北斗七星が上がってきています。北斗七星は中天高く上ったときより、このように上りつつあるときが雄大で恰好良いですね。
ちょっと残念なのは、木星が沈んでしまうと暫くの間見やすい惑星がないこと。まあ、もう少しお待ちください。来月頃には金星が西の空に見やすくなってきますから。

ひな祭りは皆既月食
3月3日(火)は皆既月食が見られます。それも夕方過ぎから夜半前までの絶妙な時間帯に起きます。これは見ないわけにはいかないでしょう。各現象の時刻は次のとおりです(1分未満は切り捨てています)。
<各現象の時刻>
東京の月の出 17時27分
部分食始まり 18時50分
皆既食始まり 20時04分
皆既食の最大 20時34分
皆既食終わり 21時03分
部分食終わり 22時18分
⦅楽しみ1⦆小望遠鏡でもじゅうぶん楽しめる
皆既月食は、小さい望遠鏡でも楽しめます。相手が月ですから、遠くに出かけなくてもOK。月が欠ける現象ですから、観測対象を探すのに苦労するなんてこともありません。望遠鏡を月に向ければ、それが観測対象です。お手持ちの機材を活用して、ぜひ存分に楽しんでください。
《楽しみ2》色と明るさに注目
なんと言っても、皆既中の暗くなった月の色が楽しめます。
地球に隠された太陽光が地球の大気に当たり、そのうち長波長(赤系)の光が通り抜け(屈折します)、その光が月を照らします。そのため、皆既月食中は月が完全に見えなくなるのではなく、赤銅色になります。まあ、月が地球の夕焼けに照らされているようなものです。この赤銅色の色や明るさは毎回同じではなく、結構明るいときもあれば暗いときもあり、たいへん面白いものです。どうも最近は、皆既中の月が暗くなる傾向にあるように感じます。
1992年の皆既月食のときは、前年フィリピンのピナツボ火山が大噴火し、噴煙の細かい粒が成層圏に広がったため、皆既中の月がまったく見えなくなり、びっくりしました。さて、今回はどんな色でどのくらいの明るさか・・・・興味深いものがあります。
下のWikipediaのリンク中に皆既中の明るさの度合いを示す「ダンジョンの尺度」(ダンジョン・スケール)が記されていますので、参考にしてください。

⦅楽しみ3⦆星が見えてくる
月食は満月時の現象です。ふつうなら満月の夜は、明るい星しか見えません。いいところ2~3等星くらいでしょう。ところが、月食が始まり、だんだんと食分が深くなってくると。星がたくさん見えてきます。ちょうどこの夜の月の位置は、しし座の足元あたりにです。ライオンが後脚で赤銅色のボールをキックしているように見えるかもしれません。
また、食分が深くなってくると、月による自分の影も消え、一緒にいる人の顔もよく見えなくなってきたりします。改めて満月とは明るいものだと実感できるでしょう。こういった「付随する現象」を見つけるのも面白いことです。
⦅楽しみ4⦆カラースケッチ
月食中の月の色の変化は面白いものです。カラースケッチはいかがでしょう。スケッチ用紙とかノートにあらかじめいくつかの円を書いておいて、時間の経過に伴いどのように欠けていくか、また色はどのように変わっていくかをスケッチしてみてください。お子さん方の自由研究に最適です。
スケッチ用紙の円のサイズは、あまり大きいと描くのが大変です。また小さすぎても描きづらいです。いままでの経験ですと直径5㎝くらいの円がちょうど良いです。描くのは色鉛筆が良いと思います。なお、スケッチした時刻の記載をお忘れなく。
⦅楽しみ5⦆カメラに収めてみよう
最近のカメラやスマホは高性能です。とりあえず撮ってみましょう。長時間の現象ですからあわてる必要はありません。露出やズーム倍率も、いろいろ変えてみてください。
ただし、手持ち撮影ではどうしてもブレてしまいます。カメラやスマホは三脚に据えるか、何かにもたせかけ、セルフタイマーを使用して撮ってみてください。結構よく撮れるはずです。何枚も撮影して、その中でうまく写ったやつだけを人に見せれば、それでOK。
参考リンク:
・月食(wikipedia) https://w.wiki/F5zq
★月がプレアデスに大接近(23日)
今月23日(月)の夕方、プレアデスに細い月が接近します。早い時刻から見られますが、当たり前ですが月没までしか見られます(東京の月没19時58分)。今回は星食(掩蔽)ではありませんが、ギリギリまで近づくのと、月齢が4.4と細い月のため、月明かりが強くないので、見やすいでしょう。
地球照が明るい月と、プレアデスの接近は、望遠鏡でも双眼鏡でも楽しめます。うまくするとスマホ等で写真が撮れるかもしれません。


参考リンク:
プレアデス星団(wikipedia)https://w.wiki/4BrF
★ミザールとアルコル(肉眼でも、望遠鏡でも・・・)
おおぐまの尻尾、北斗七星の柄の先から数えて2番目の星が「ミザール」です。
このミザールは2等星ですが、そのすぐ近くに4等星アルコルがあります。このミザールとアルコルは肉眼二重星で、空の状態にもよりますが、1.0ていどの視力がある方でしたら、二つの星に分離して見られます。昔アラビアでは、兵士採用のための視力検査にこの星を使い、ミザールとアルコルが見分けられた人を合格にしたといわれています。
当然双眼鏡でも望遠鏡でも分離できます。
なお、ミザールもアルコルもそれぞれ分光二重星ですが、これを分離して見るのはちょっと難しいでしょう。

望遠鏡で天体を見るとき、天頂ミラー、天頂プリズムの使用の有無によって、倒立像や裏像になることがありますので、ご注意ください。
詳しくは以下のリンクを参照してください。
・スコープタウン(用語集)「天頂ミラー」 https://scopetown.jp/word/zenith-mirror/
参考リンク:
・ミザール(wikipedia)https://w.wiki/DqLN
・アルコル(wikipedia)https://w.wiki/6v$T
★今月の惑星
・水星:3月7日に内合となるため、ほとんど見られません。
・金星:夕方の西の低空に見えはじめました。
・火星:太陽に近すぎて、ほとんど見られません。
・木星:ふたご座で煌々と輝いています。引き続き観望が楽しめます。
・土星:3月26日に合となるため、しばらく見られません。次シーズンまでお待ちください。
・天王星:夕方の西空、おうし座にあります。
参考リンク:
・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)
https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cgi
★今月の月
2026年3月は、3日が満月、下弦が11日、19日が新月、26日が上弦となります。
<月に近づく天体>
2日(月)レグルス(しし座)の食(東京での潜入:20時30分、出現:21時34分)
3日(火)スピカ(おとめ座)
11日(水)未明、アンタレス(さそり座)
13日(金)明け方、南斗六星(いて座)
23日(月)プレアデス星団(おうし座)
26日(木)木犀
28日(土)プレセペ星団(かに座)
29日(日)レグルス(しし座)
参考リンク:
・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。
https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi






