4月3日・4日宵(よい)の西の空で、金星と「すばる(M45プレアデス散開星団)」が近づきます。

金星は宵の明星として今は非常に明るく見えているので見つけやすく、金星に狙いをつければ「すばる」も見ることができます。

金星と「すばる」の接近 東京から見た4月3日夜19時00分頃の西方向の空

最も近づいて見えるのは3日と4日ですが、双眼鏡なら視野が広いので、ヒノデA4やA5のような5×21程度(視野11度)なら3月28日頃から4月上旬頃までひとつの視野で見えています。

双眼鏡で見た場合の視野円と金星の位置(5×21、6×30の例)

望遠鏡の30倍の倍率なら「すばる」全体と金星をひとつの視野で見ることができるので両日ともお勧めです。35~40倍だと拡大された分、「すばる」がはみ出し気味なので、3日の方が見え方が良いでしょう。

すばるの主な星七つの名前
4/3に見た場合の視野円(弊社望遠鏡付属の各低倍率接眼レンズ使用)
4/4に見た場合の視野円。35~40倍だと金星が端へ動くので「すばる」主要部がはみ出す感じになります。

自分が使っている望遠鏡が、何倍だとどのくらいの範囲が見えるのか…を覚えると、これから見える天文現象でも見え方をつかみやすくなります。

金星を拡大すると、今年のこの時期は半月のように見えます。地球から見ると、月と同じく金星も満ち欠けをして見えるのです。
軌道の関係で金星が地球の前を通り過ぎるため、これから半月から三日月のように見え方が変わりつつ、太陽に近づいて徐々に高度が下がっていきます。6月上旬を過ぎると今度は明けの明星として夜明け前の東の空に姿を見せるようになります。

文責・作図 スタッフ今村