12月は月と3惑星、月面X(エックス)、そして「ふたご座流星群」に注目です。

☆おすすめの天文現象

★レナード彗星(C/2021A1)
現在太陽に近づいている「レナード彗星」が、12月上旬の夜明け前、東の空に4等星~5等星の明るさで見えるのではないか、と予想されています。これは双眼鏡を使えば見える明るさ予想です。
現時点では7~8等星程度の明るさですが、ここ数日で明るさが頭打ちのように見えたり、彗星核崩壊の可能性が出てきたりと情報がまだ固まっていない状況です。
情報がある程度まとまり、見えそうと判断した場合は臨時版として改めてお知らせしたいと思います。

★4日:金星が最大光度
4日、金星が最大光度マイナス4.7等(1等星の100倍以上の明るさ)になります。

12月上旬の日没約30分後なら南西方向、地平線から20度程度の高さにあり、望遠鏡で眺めると半分以上欠けた姿で見えます。

参考リンク:金星が最大光度(2021年12月)(国立天文台)

★6日~9日:細い月と金星・土星・木星

6日の夕方17時過ぎ、南西の低空の細い月(月齢2)から左上方向に金星・土星・木星の順で並んで見えます。

また7日~9日にかけて、月が金星・土星・木星の左側を通り抜けていきます。
金星:7日夕方、月の右側
土星:8日夜、月の右側
木星:9日夜、月の右上

土星と木星は日の入り直後に南西の空に見えていますが、沈む時間が早くなり、12月15日頃までの、日の入りから19時前までが観望のチャンスです。

中旬には土星が19時頃、木星が20時30分頃に地平線からの高度が10度を切るようになり、大気の揺らぎの影響を受けて見づらくなります。

参考リンク:

・土星(アストロアーツ)

・木星とガリレオ衛星(アストロアーツ)

★今年最後の月面X(エックス)
11日夜22時頃を中心として前後30分ずつほど、月の欠け際に「月面X(エックス)」が見られます。年内に見られるのはこれが最後で、来年は日没前の空が明るい時間帯に見える時期がしばらく続きます。

参考リンク:「月面X」ゲツメン・エックス(山田陽志郎さん)

★ふたご座流星群
3大流星群のひとつ「ふたご座流星群」が14日16時頃に活動のピークを迎えます。
ピーク時間は残念ながら日中のため、その前後の時間帯に見ることになります。しかし上弦過ぎの月が夜半過ぎまで空を照らすため、観測は月が沈む下記の時間帯が条件良いです。

・14日午前2時過ぎ~14日夜明け前
・15日午前3時過ぎ~15日夜明け前

夏に天の川の見えるような空の条件の良い場所で、1時間当たり全天で20~30個程度の出現が予想されています。街中では市街地の明かりの影響で、明るいものが数個程度になるでしょう。

月が明るいと暗い流星は見えなくなります。 明るい流星(火球)は月が出ていても見えますが、数は暗い流星の方が圧倒的に多いのです。

直前にはツイッターやfacebook、星空情報臨時版でもう少し具体的な情報をお伝えする予定です。

参考リンク:
・ふたご座流星群が極大(2021年12月)(国立天文台)

・ふたご座流星群(アストロアーツ)

★2021年最遠の満月
19日の満月は2021年中で地球から一番離れた位置にある満月です。5月26日に今年一番近い位置で「スーパームーン」と話題になりましたが、その時と比べて直径が1割ほど小さく見える大きさです。

参考リンク:2021年地球から最も遠い満月(2021年12月)(国立天文台)

☆12月の惑星

・金星:日没後の南西の空に見えます。明るさはマイナス4.7等~マイナス4.4等です。

・土星:南西の空に見えます。明るさは0.7等です。

・木星:南~南西の空に見えます。明るさはマイナス2.3等~マイナス2.1等です。

☆2021年12月の月齢と主な天文現象

4日 金星が最大光度(マイナス4.7等)。
   新月(月が太陽方向にあり観測出来ない)。

6日 夕方17時過ぎ、南西の低空の細い月から左上方向に金星・土星・木星の順で並んで見えます。

7~9日 月が金星・土星・木星の近くを通ります。

11日 22時頃、月面X(エックス)が見られます。
   上弦の半月 日没の時に南中(南の空で一番高い位置に来ます)
   月の観測のおすすめ時間帯は日没から夜9時位まで。地平線に近くならないうちに見ましょう。

14日 ふたご座流星群が活動のピーク。上弦過ぎの月が夜空を夜半過ぎまで明るく照らすため、月が沈んでから条件が良くなります。

19日 今年最遠の満月(日没時に東の地平線からのぼってきます。)

27日 下弦の半月 深夜に東の地平線から上ってきます。観測のおすすめ時間帯は午前2時くらいから。

☆日の出光学webサイトのコラムにて「双眼鏡で星を見る(夏・秋編)」を掲載しました! 夏・秋の主な星雲星団の双眼鏡での見え方が図版で載っていますので、ぜひご活用ください。

双眼鏡で星を見る(夏・秋編)日の出光学webサイト・コラム

☆田奈星空観望会は、新型コロナウイルスの国内での市中感染の状況判断により、まだ中止とします。
今後の開催の可否は、国内の感染状況を見て後日お知らせいたします。
楽しみにされていた方には、大変申し訳ありませんが、あしからずご了承ください。