★ 今月の天文現象

◆ 6日 2時半ごろを中心に、半影月食

※6日ですが、2時台ですから、感覚的には5日の夜の延長です。ご注意ください。

2時半を中心に、前後1時間くらいでしょうか。半影月食は影が非常に淡いため、肉眼ではっきり確認できるかどうかはきわどいところです。

半影とは光源(月食の場合は太陽)がある程度大きい時に、遮蔽物(地球)によって、光源が完全に見えなくなる位置にできる濃い影を「本影」、光源が部分的に隠される位置にできる薄い影を「半影」と呼んでいます。

一般的に、月の全部が地球の本影に入った状態を「皆既月食」、月の一部が地球の本影に入った状態を「部分月食」と言います。そして、月が地球の半影に入った状態を「半影月食」と言います。

参考リンク:

・半影月食(アストロアーツ)
 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12809_ph230506

・月食とは(国立天文台)
 https://www.nao.ac.jp/astro/basic/lunar-eclipse.html

・月食の観察のしかた(国立天文台)
 https://www.nao.ac.jp/astro/basic/lunar-eclipse-obs.html

◆ 7日 0時頃、みずがめ座η(エータ)流星群が極大

※見ごろは4日~7日の未明ですが、数多く流れるわけではありません。

人間の眼で天の川が見えるくらいの暗い場所でも、1時間に5個ほどと予想されています。月も明るいため、暗い流星は視認できず、あまり期待できません。

参考リンク:

・5月の流星群(流星電波観測国際プロジェクト)
 https://www.amro-net.jp/meteor-info/meteor_2023.html#MAY

・みずがめ座η流星群が極大(アストロアーツ)
 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12810_ph230506

◆ 14日、月と土星が接近。

天体望遠鏡の視野の中では月と土星を両方一度に見ることはできませんが、双眼鏡であれば一つの視野の中に収まります。もちろん肉眼でも楽しめますので、是非空を見上げてみてください。

東と南のほぼあいだくらいに見えます。

参考リンク:

・月が土星に接近(2023年5月)(国立天文台)
 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/05-topics01.html

・月と土星が接近(アストロアーツ)
 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12811_ph230514

・日の出光学(上記のヒノデ双眼鏡を販売する、スコープテックの姉妹サイト)
 https://bino.hinode-opt.jp/column/hoshimi2.html/

◆ 23日、月と金星が接近。

天体望遠鏡の視野の中では月と金星を両方一度に見ることはできませんが、双眼鏡であれば一つの視野の中に収まります。もちろん肉眼でも楽しめますので、是非空を見上げてみてください。

真西から少しだけ北(右)の方向に見えます。
スコープテックの天体望遠鏡で見たときの金星の見え方

参考リンク:

・月が金星、火星に接近(2023年5月)(国立天文台)
 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/05-topics02.html

・細い月と金星が大接近(アストロアーツ)
 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12813_ph230523

・日の出光学(上記のヒノデ双眼鏡を販売する、スコープテックの姉妹サイト)
 https://bino.hinode-opt.jp/column/hoshimi2.html/

◆ 24日、月と火星が接近。

天体望遠鏡の視野の中では月と火星を両方一度に見ることはできませんが、双眼鏡であれば一つの視野の中に収まります。もちろん肉眼でも楽しめますので、是非空を見上げてみてください。

ほぼ真西に見えます。

参考リンク:

・月が金星、火星に接近(2023年5月)(国立天文台)
 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/05-topics02.html

・月と火星が接近(アストロアーツ)
 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12814_ph230524

・日の出光学(上記のヒノデ双眼鏡を販売する、スコープテックの姉妹サイト)
 https://bino.hinode-opt.jp/column/hoshimi2.html/

★ 今月の惑星

土星:未明の南東の低空に辛うじて見ることができます。天体望遠鏡なら環があることが確認できます。低い位置に見える惑星は、大気の層も厚く、地上の光の影響を受けやすいため、天体望遠鏡の高倍率で環や模様を見るのにはあまり適していません。東から昇ってきた来たと思ったらあっという間に夜が明けてしまい、見えなくなります。14日には月と接近します。上の天文現象のコーナーで詳しく説明しています。

木星:太陽に近すぎるため、ほとんど見ることができません。

火星:日没後しばらくの間、西の空に赤く輝いています。1.5等星と少し暗くなり、地球からの距離は離れているため、天体望遠鏡による高倍率での模様の観察には適していません。日を追うごとに見た目の大きさが小さくなっていきます。

金星:西の空に一番星として輝きます。マイナス4等星という普通の星とは比較にならない明るさですから、すぐに見つけられるはずです。天体望遠鏡で欠けているのを確かめてみてください。23日には月と接近します。上の天文現象のコーナーで詳しく説明しています。

水星:5月29日に西方最大離角です。この日は日の出の一時間前くらいに東の地平線から昇ってきます。最大離角の前後は観察のチャンスなんですが、今回はようやく高度が10度を超えたかというところで日の出を迎えてしまいますから、あまり条件は良くないです。双眼鏡を使っても、都市部で見つけるのは難しいかもしれません。太陽に細心の注意を払って探してください。

★ 今月の月

月を天体望遠鏡で見るときには、満月よりも、どちらかと言えばかけている月の方が面白いです。欠け際にあるクレーターが影を作り、クッキリと浮かび上がるからです。

月が夕方から夜にかけての観察しやすい時間(18~23時くらい)に、見やすい位置に上がっているのは、新月の2日後くらいから満月の5日後くらいが目安です。

5月の満月は6日、新月は20日。6月4日に再び満月になります。なので、前半は1~11日まで、後半は22~31日が月の観察には最適です。前半なら1、2日、後半は全般に渡って月の欠け際が観察しやすく、おすすめです。