星の位置がわからない人に、自動導入は使えません。
星の位置が分からなくても、自動的に望遠鏡を見たい天体に向けてくれるのが「自動導入」だと思い込んでいる初心者の方が多いです。
実際には、季節の星座の星ならびや、星の名前がわからないと自動導入は使いこなせません。
自動導入には初期設定が必要です。
自動導入の初期設定作業は下記の通りです。
まず、望遠鏡を指定された方角に向け、次に、基準とする一つの星を、リストから選択します。
たとえば夏ならこと座のベガなどを選び、その星を視界の中央に導入します。ぴったり中心に導入し、そこでボタンを押して、望遠鏡にそれを知らせます。
より正確に自動導入を使うために、2~3個の星でそうした作業を繰り返します。それが終わってはじめて正確な自動導入と自動追尾が行えます。
スコープテックの天体望遠鏡は、手動で動かすシンプルなものです。
スコープテックの天体望遠鏡は手動で動かすシンプルなものです。しかし、肉眼で見つけられるような明るい星を見るとき、何の準備も必要なく、すぐに見たい星を見ることができます。(詳細は、コラム : 初心者にとって理想的な望遠鏡ってどんなものですか? )
肉眼で見える星は、想像以上に多いです。月はもちろん肉眼ですぐに見つけられますし、金星、木星、土星、火星など、見応えのある惑星も、すべて一等星よりは明るいですから、だいたいどのあたりにあるかを調べておけば、すぐに見つかります。オリオン星雲やスバル(プレヤデス星団)などの星雲・星団も、大きなものは、肉眼で見られるものが結構あります。
自動導入のメリット
自動導入の最大のメリットは、肉眼やファインダーでは探しにくい、暗い天体を観察するときに発揮されます。
光が淡く暗い星雲や星団の中には、導入が難しく、ベテランでもたどり着くまでに苦労するような天体がたくさんあります。そういう天体を観察したいとき、自動導入は便利です。
自動導入は初心者ではなく、むしろ、中上級者にとって便利な機能なのかもしれません。