私たちが使う望遠鏡には、多かれ少なかれ震動があります。特に、接眼レンズの交換直後や、鏡筒を動かして、止めたときには振動を感じます。

この原因は、ひとえに天体望遠鏡の倍率が高いことにあります。

実際の鏡筒の先が、0.2mmほどの極めて小さなブレで振動していたとします。その時の望遠鏡の倍率が75倍であれば、実際にのぞいたときの像のブレは、やはり75倍に拡大されます。つまり、0.2mm × 75倍 = 1.5cm 程度の大きなブレになってしまいます。

スコープテックの望遠鏡セットに付属する架台や三脚は、その望遠鏡セットの最高倍率にあわせて、振動に、ある程度耐えられるだけの強度になるよう設計されています。

もちろん、もっと強度を上げようとすればできないことはありません。しかし、その分だけ重くなり、手軽さは失われます。もちろん、コストもかかります。

道具そのものに解決策を求めるのも良いのですが、道具を工夫しながら使って行くのも一つの楽しみ方です。

例えば、風の影響で鏡筒が揺れることもあります。そんなときは、少しでも風をよけられるよう、建物の影に移動してみてください。

また、接眼レンズの交換や、目当ての星を視界に入れたり、星を追いかけたりという操作は、使い込むごとに上手になってきます。できるだけ振動させないように動かすことに挑戦してみてください。