2月、宵の頃にオリオン座を眺めやすいので「オリオン大星雲」を見つけてみましょう。
15日の宵の頃には低空ですが金星と海王星の大接近、22日には細い月と金星の接近、23日宵には金星・木星・月が縦に並ぶ眺めを見られます。
☆おすすめの天文現象
★C/2022 E3 ZTF(ズィーティーエフ)彗星の接近
2022年3月に見つかった「ZTF(ズィーティーエフ)彗星」が2月2日未明に地球最接近を迎え、5等の明るさで見えています。
弊社天文ニュースに小型双眼鏡・小型望遠鏡で実際に見ながら描いたZTF彗星のスケッチを掲載したので、見え方のイメージをつかむのに参考にしてください。
・速報:ZTF彗星(ズィーティーエフすいせい・C/2022 E3)のスケッチ(弊社天文ニュース)
また下記参考リンクに掲載されている星図を使い、明るく見つけやすい星の近くにいる時に、双眼鏡や望遠鏡で探してみたり、撮影を試すとよいでしょう。
明るい星に近づく日は下記の通りです。
・5日、6日:ぎょしゃ座1等星カペラに近づきます。
・11日:火星(0等星の明るさ)に近づきます。
・14日-16日:おうし座1等星アルデバラン、ヒアデス星団に近づきます。
参考リンク:
・(速報)ZTF彗星が地球に接近(2023年1月・2月)(国立天文台)
・2023年2月 ズィーティーエフ彗星が5等前後(アストロアーツ)
・特集:C/2022 E3 ZTF(ズィーティーエフ)彗星(アストロアーツ)
★オリオン座の「M42オリオン大星雲」が見頃
2月の19時~21時頃、南~南西にかけて良く見えているオリオン座。ここにあるM42オリオン大星雲をお子さんも見やすい時間(19時~21時頃)に見つけやすい良いチャンスです。
望遠鏡での見つけ方について、一例を図版付きでUPしたページをご紹介しますので、参考にしてください。
・M42オリオン大星雲の見つけ方(2月の宵・19時~21時頃)(弊社天文ニュース)
※昨年UPしたものに今回情報を追加・更新してあります。
M42は空の条件の良い暗いところで見ると大きくて明るい星雲ですが、それでも人間の目で色を感じるほどには至らず、街中ではさらにその一部、明るい部分を見るのがやっとです(写真で白く飛んでいる辺りだけが見えます)。
写真の姿と違うので、慣れないうちは通り過ぎることが多いですから、星をたどって星雲・星団を探すことをここで試してみてください。
もっと小さくて暗い他の星雲・星団を見つけるやり方も同じですので「星をたどる」見つけ方のコツをつかみましょう。
★6日、2023年最遠の満月
6日の満月は2023年中で地球から一番離れた位置にある満月です。
ちなみに2023年で月が一番近い位置になるのは2023年8月31日です。その時と比べて、今回は直径が1割ほど小さく見える大きさです。
参考リンク:2023年 地球から最も遠い満月(2023年2月)(国立天文台)
★木星は宵の頃、西南西の空に見えます。上旬の19時頃には地平線から30度を切る程度の高さですが、下旬には19時頃で15度を切り、そろそろ見頃の終わりとなります。
★15日夕方から宵の頃、西の低空で金星と海王星が非常に近づきます。
日没50分後(東京では18時12分頃)で西南西の方角・地平線からの高度約15度の位置、「宵の明星」で非常に明るい金星を見つければ、そのすぐ上に海王星がいます。
今回は望遠鏡の200倍程度の高倍率でも一つの視野で見ることができるほど近い接近ですが、非常に明るい金星(マイナス4等)と暗い海王星(8等)で光度の差が非常に大きいため、双眼鏡や望遠鏡の低倍率では金星がまぶしくて海王星を見分けるのが難しいかもしれません。
私もさすがに未体験なので、見ることができたら金星を視野に入れて倍率を高くして見てみようと考えています。
日没80分後(東京では18時41分頃)には地平線からの高度が10度以下になります。
参考リンク:2023年2月中旬 金星と海王星が大接近(アストロアーツ)
★22日夕方、西の低空で細い月と金星が近づきます。
日没45分後(東京では18時14分頃)で西の方角・地平線からの高度約17度の位置、「宵の明星」で非常に明るい金星を見つければ、その右下に細い月(月齢2.1)が見えます。
また翌日23日の同じ時間帯には金星から上に木星、月と縦に並ぶのが見えます。
3月2日には木星と金星が近づきます。
参考リンク:
・月が金星、木星に接近(2023年2月)(国立天文台)
・2023年2月22日 細い月と金星が接近(アストロアーツ)
★28日、月と火星が近づきます。
火星は0.4等と昨年末から比べれば明るさを減じましたが、まだまだ見やすくなっています。28日夜~3月1日夜明け前には上弦を過ぎた月と近づくので、火星を見つけやすいです。
参考リンク:
・火星と冬の星空(2023年2月)(国立天文台)
☆2月の惑星
・木星:宵の頃、西南西の空に見えています。
明るさはマイナス2.2等~マイナス2.1等です。
・火星:南の空、高い位置に見えています。
明るさは上旬にはマイナス0.3等ですが、下旬には0.4等と徐々に暗くなります。
・金星:宵の頃、西南西~南西の低空に見えます。
明るさはマイナス3.9等~マイナス4.0等です。
・水星:上旬の夜明け前、東南東の超低空に見えます。中旬以降は太陽の近くになるため観察はできません。
明るさは上旬の頃で0等~マイナス0.1等です。
・土星:太陽に近いので観察できません。
☆2023年2月の月齢と主な天文現象
2日 C/2022 E3 ZTF(ズィーティーエフ)彗星が地球に最接近
6日 今年最遠の満月(日没時に東の地平線からのぼってきます)
11日 C/2022 E3 ZTF(ズィーティーエフ)彗星と火星が近づきます。
14日 下弦の半月 深夜に東の地平線から上ってきます。観測のおすすめ時間帯は午前2時くらいから。
15日 金星と海王星が非常に近づきます。
20日 新月(月が太陽方向にあり観測出来ない)
22日夕方~宵の頃 細い月と金星が近づきます。
23日夕方~宵の頃 月と木星が近づきます。
27日 上弦の半月 日没の時に南中(南の空で一番高い位置に来ます)