4月は夜明け前の東南東の低空で惑星たちが集まります。
特に5日夜明け前の火星・土星の大接近と、下旬の4惑星・月の接近に注目です!
また20日~5月7日にかけて夕方、西の低空に見える水星も今年一番見やすい機会です。

☆おすすめの天文現象

★5日夜明け前、火星と土星が大接近
上旬の夜明け前、東南東の低空に火星・土星・金星の3惑星が集まっています。

特に5日、日の出の1時間15分前(東京では午前4時08分頃)には東南東の低空、地平線から約10度の高さに火星と土星が肉眼でも非常に近づいて見えます。
また非常に明るい金星が左側に少し離れて見えているので、金星を目印に火星・土星を見つけやすいです。

弊社望遠鏡で見た場合の視野円(導き入れる際の倍率、30倍~40倍で見た視野)

望遠鏡で見た場合、倍率100倍程度までなら2つの惑星を一つの視野で一緒に見ることができます。

ただし80倍~120倍では2惑星が視野円の両端にそれぞれ寄ってしまうので、一つの視野に収めながら動きを追いかけるのが難しくなります。
また120倍以上では倍率が高過ぎて視野が狭くなり、片方ずつしか見えないのでご注意ください。

参考リンク:
・火星と土星の接近(2022年4月)(国立天文台)
・2022年4月上旬 火星と土星が大接近(アストロアーツ)

先行情報:5/1夜明け前の金星と木星の大接近も、望遠鏡で100倍程度の倍率でも一つの視野で両方の惑星を同時に見ることができます。

★23日夜明け前、4月こと座流星群が活動のピーク。
流星の数は少ない流星群です(ピーク時最大でも全天で1時間に20個以下)。
今年は下弦の月があるので条件はあまり良くありません。

★25日~28日の夜明け前:細い月と土星・火星・金星・木星の接近
25日~28日の夜明け前、東南東の低空で細い月が4惑星に順番に近づきます。
月を目印に4惑星を見るチャンスです。

25日夜明け前:土星
26日夜明け前:火星
27日夜明け前:金星と木星
28日夜明け前:木星※
※28日は月の高度が低く、少し見づらいです。

東京から見た東南東方向の空、日の出約1時間前(4/25の東京の日の出:午前4時57分)

各日とも日の出1時間前の朝4時頃から眺めると良いでしょう。地平線からの高度が20度以上の土星や、15度以上の火星は比較的見やすいです。

しかし高度10度程度の低空にある金星・木星は「地球大気の揺らぎ」の影響が大きく出るので揺らいで見え、木星の縞模様などはあまり良く見えないでしょう。

参考リンク:
・月が土星、火星、金星、木星に接近(2022年4月)(国立天文台)
・2022年4月27日 細い月と金星が並ぶ(アストロアーツ)

★29日夕方、水星が太陽の左側に一番離れて見える(東方最大離角)
夕方の西北西の低空で、水星が太陽の左側に一番離れて見える位置に来ます。
水星を見るのに今年一番高い位置に見えるので、参考リンクの図版を確認して、この機会にぜひ眺めてみてください。

参考リンク:
・水星が東方最大離角(2022年4月)(国立天文台)
・2022年4月29日 水星が東方最大離角(アストロアーツ)

☆4月の惑星

・水星:上旬は太陽の近くで観測できません。
    15日以降は西の低空に見えるようになります。
    20日以降は日没30分後、地平線からの高度が10度以上で5月7日頃まで見頃となります。20日から30日にかけての明るさはマイナス0.8等~0.3等です。

・金星:夜明け前の南東の低空に「明けの明星」として見えます。
    明るさはマイナス4.4等~マイナス4.1等です。

・火星:夜明け前の南東の低空に見えています。
    明るさは1.1等~0.9等です。

・土星:夜明け前の南東の低空に見えています。
    明るさは0.8等です。

・木星:上旬は太陽の近くで観測できません。15日以降は西の超低空に見え始めます。
    20日以降は日の出約30分前で地平線からの高度が10度以上となります。
    明るさはマイナス2.0等です。

☆2022年4月の月齢と主な天文現象

1日 新月(月が太陽方向にあり観測出来ない)。

5日 夜明け前、東南東の低空で火星と土星が非常に近づきます。

9日 上弦の半月 日没の時に南中(南の空で一番高い位置に来ます)
   月の観測のおすすめ時間帯は日没から夜9時位まで。地平線に近くならないうちに見ましょう。

17日 満月(日没時に東の地平線からのぼってきます。)

23日夜明け前 4月こと座流星群が活動のピーク、下弦の月が出ているので条件はあまり良くない。

23日 下弦の半月 深夜に東の地平線から上ってきます。観測のおすすめ時間帯は午前2時くらいから。

25日~28日 夜明け前の東南東の低空で、月が土星・火星・金星・木星の近くを通ります。

29日 水星が太陽の左側に一番離れて見える位置にきます(東方最大離角)

☆田奈星空観望会は、新型コロナウイルスの国内での市中感染の状況判断により、中止となります。
今後の開催の可否は、国内の感染状況を見て後日お知らせいたします。
楽しみにされていた方には、大変申し訳ありませんが、あしからずご了承ください。