☆ 暑中お見舞い申し上げます

皆様こんにちは。
先日、今年はセミがぜんぜん鳴かないなあ?・・・・と思ったのですが、冷静に考えてみると、まだセミが鳴くには早い時期でした。連日あまりにも暑くて、てっきり夏真っ盛りだと勘違いしたというお粗末の一席でした。
セミだって何年も土の中で準備しているのですから、いくら異常気象で暑くなったって、そう簡単には対応できませんよね。
というわけで、8月の星空情報をお送りいたします。

《お知らせ》弊社は8月9日(土)から18日(月)まで夏のお休みをいただきます。
この間はフリーダイヤル、メールでのお問い合わせもお休みいたします。 悪しからずご容赦ください。

〽夏の涼みは両国の 出船入船屋形船 上がる流星 星下り 玉屋が取り持つ縁かいな(俗曲)

★夏の風物詩「ペルセウス座流星群」

星好きにとって、夏と言えばやはりペルセウス座流星群。晴天率の高い時期であること。夏休みどきで、時間がとりやすいことなどお誂え向きの流星群です。
私は昨年のペルセ群を川崎市の自宅で見たのですが、2等以上で90分で9個見られました。つまり10分で1個というわけです。
ただ、今年は条件があまり良くなく、20時半頃には下弦前の月が上がってくるのが残念なところですが、ペルセ群は明るく力強い流星が多く、出現数も多いので、楽しめることは間違いありません。
極大は8月13日5時頃ですが、この時間では夜が明けてしまいます。12日の夜、まだ月の上がってこないうちから見始めるのがよいでしょう。

<流星群の楽しみ方>

なるべく空の開けた、街灯などの少ない場所が観測に好適です。
椅子に腰かける、シートを敷いて寝そべるなど楽な姿勢で空の真上(天頂)近くを向いてください。あとは流星が流れるのを待つだけです。
こんなことを調べると面白いです。
・1時間にどのくらい流れるか?
・出現数が時間によって増減するか?
・流星の明るさはどのくらいか。どんな色をしているか?
・流れる方向は?
一人で全天を見渡すことは困難なので、複数名いる場合は空をいくつかに区切って「あなたは東側」などと分担して見ると、見落としが少なくなります。でも愛する二人で見る場合は、同じ方向を見た方がよいかも・・・・。
蚊に刺されないように長袖、長ズボンにしましょう。蚊取り線香や虫よけスプレーがあると良いです。また夜間ですので、お子さんには、必ず保護者さんが付き添ってください。
流星観測には天体望遠鏡は基本必要ありませんが、長時間上空を見つめていると、疲れますし注意力も散漫になります。時間を区切って流星を観測して、適宜望遠鏡や双眼鏡で星空を楽しんでみてはいかがでしょう。

 

参考リンク:

・主な流星群(国立天文台) https://www.nao.ac.jp/astro/basic/major-meteor-shower.html

・ペルセウス座流星群(wikipedia) https://w.wiki/3xDt

 

★夏は天の川

夏の天の川は、冬に比べて明るく濃く、その流れも複雑です。
これは、私たちの天の川銀河(銀河系)の中心が夏の側(いて座方向)にあるためです。
とは言え天の川の光は淡く、街明かりの多いところや、月明かりがあるときは見ることが困難です。
都会地にお住まいの方も、夏季休暇で海や山、キャンプなどにお出かけの際は、少し夜ふかしをして、夏の天の川を楽しんでみてください。そして、もしお出かけの日があるていど自由になるなら、月明かりのないときを選んで出かけられた方が、楽しみがひとつ増えるはずです。

 

参考リンク:

・天の川(wikipedia) https://w.wiki/53Fd

・銀河系(wikipedia) https://w.wiki/4bpL

 

★木星と金星が大接近(8月12日早朝)

8月12日午前3時頃、東の空で木星と金星が近づきます。
30倍くらいの望遠鏡なら、同一視野内に入るので、大接近と言ってよいでしょう。木星、金星の形、木星のガリレオ衛星なども一緒に楽しめます。

望遠鏡で天体を見るとき、天頂ミラー、天頂プリズムの使用の有無によって、倒立像や裏像になることがありますので、ご注意ください。

詳しくは以下のリンクを参照してください。

・スコープタウン(用語集)「天頂ミラー」
https://scopetown.jp/word/zenith-mirror/

参考リンク:

・金星(wikipedia) https://w.wiki/4X3t

・木星(wikipedia) https://w.wiki/434p

  

★ プレアデス食(8月16日深夜)

8月16日深夜、月がプレアデス星団(すばる)を隠す「プレアデス食」が起き、全国で見られます。
この晩の月は、下弦を過ぎた“ほぼ半月”なので、まだちょっと月が明るいですが、望遠鏡で見ると、月がすばるの星々を次々に隠し、また出現していくようすは壮観で、ひじょうに楽しめるはずです。
なお、この晩の東京での月の出は22時25分です。

アルキオーネ(プレアデス中もっとも明るい)の潜入・出現時刻
    潜入   出現
札幌 0時18分 → 0時50分
仙台 0時18分 → 0時34分
東京 食されない
大阪 0時13分 → 0時30分
福岡 0時09分 → 0時34分
那覇 食されない

  

 

参考リンク:

・プレアデス星団(wikipedia) https://w.wiki/4BrF

 

★かじりかけのリンゴ(亜鈴状星雲・M27)

M27はこぎつね座にある惑星状星雲です。
淡い星雲なので、空が明るい場所や月明かりがあるときなどは、見ることが難しいですが、夏季休暇で空のきれいな場所に行く機会があるときは、チャレンジしてはいかがでしょう。惑星状にしては面積が大きいので、意外によく見えるかもしれません。
こぎつね座には明るい星が少ないので、M27を探すときは、お隣のはくちょう座から探した方が合理的です。北十字の中央(サドル)、左側の星(アルジェナー)、先端(アルビレオ)を結んで長方形を作ってみてください。残りひとつの角あたりにM27がいます。
写真撮影されたM27には鮮やかな色がついていますが、眼視だとそこまでは見えず、白くてボーッとにじんだ姿が見られます。
M27は、その形から「亜鈴状星雲」と呼ばれていますが、「かじりかけのリンゴ」みたいに見えます。

 

 

 

参考リンク:

・亜鈴状星雲(wikipedia) https://w.wiki/Ekb4

 

★M4(さそり座の球状星団)

M4はさそり座にある球状星団です。
主星アンタレスのすぐ西側、双眼鏡なら楽に同一視野に入ります。
大型の球状星団ですが、低空のため、光害の影響を受けやすいです。
南の低空なので観望期間も比較的短めですので、夏季休暇の折に試してみてください。

 参考リンク:

・M4(天体)(wikipedia) https://w.wiki/EkbJ

 

★M22(いて座の球状星団)

球状星団をもうひとつご案内します。いて座のM22です。
南斗六星の頭側から4つめのと5つめの星を結び、これを長辺とする二等辺じゃない方の三角定規を作ります。直角部分は上の方です。M22はこの直角のあたりにあります。
これもM4同様南に低い場所にありますので、なるべく南が開けた場所でお試しください。

 

参考リンク: 

・M22(天体)(wikipedia)  https://w.wiki/Ekbp

 

今月の惑星

・水星:8月19日に西方最大離角となり、前後数日程度は明け方の東の低空で見られます。

・金星:明け方の東の空で輝いています。木星の近くにいます。

・火星:夕方の西空に見えていますが、かなり低く、見ずらくなっています。

・木星:ふたご座にいて、金星とならんで明け方の東の空に輝いています。

・土星: うお座にあり21~20時頃上ります。9月22日に衝となるので、そろそろ観望シーズンです。

・天王星:夜半前に上ります。おうし座のプレアデス星団の比較的近くにあります。

参考リンク:

・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cgi  

  

★今月の月

2025年8月は1日が上弦、満月が9日、下弦が16日、23日が新月です。31日に今月2度目の上弦となります。

<月に接近する天体>

4日(月)さそり座のアンタレス(夕方~23時頃)

12日(火)土星(21時頃~夜明け前)

16日(土)プレアデス食

20日(日)木星・金星(午前2時過ぎ~未明)

参考リンク:

・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi