街灯やネオンなどで明るくなってしまった都会の夜空でも、月や木星や土星、火星や金星などの明るい天体の観測は、十分に楽しめます。
その中でも月は、とても明るく大きく見えるので、初心者が観察するのに最適です。小さな天体望遠鏡でも、その表面のようすはとても細かく観察できます。
満ち欠けする月は、その欠け際のあたりに影が色濃く落ちるため、地形がくっきりと浮かびあがります。クレーターや山脈などの地形は、ちいさな望遠鏡で見ても大迫力です。毎日見ていると、満ち欠けとともに、見える地形がどんどん移り変わってとても興味深いです。
月を追いかけながら観察することは、
1、望遠鏡の視野に天体をとらえる。
2、ピントを合わせる。
3、視野の中を移動していく天体を追いかける。
という、天体望遠鏡の基本操作に慣れるうえで良い練習にもなります。
さて、月を観察できるようになると、その迫力のある地形を写真に撮って、記録しておきたくなるかもしれません。実はコツさえつかめば、月の撮影はみなさんが考えるよりすっと簡単です。
かつては、月や惑星の写真は、コンパクトデジカメや一眼デジカメなどで撮影するのが主流でした。しかし、最近ではスマホのカメラの性能が飛躍的に向上し、月を綺麗に撮影できるようになりました。
スマホで撮影できれば、その写真を人に見せたり、送ったりするのも簡単です。SNSやブログにアップするのも手軽にできます。また一歩進んで、月のクレーターのムービーをそのままライブ配信する事だって可能です。
月の撮影方法 (スマートフォン)
月を撮影するのに、特別なカメラは必要ありません。手軽でとても良く写るのがスマートフォン。とても簡単に撮影することができます。
デジタル一眼やコンパクトデジカメでも撮影できますが、デジタル一眼は重くて大きくいため、それに耐えられる大型の望遠鏡が必要です。望遠鏡に接続するには高価なアダプターが必要で、手軽とは言えません。
スマホでの撮影の仕組みは簡単です。望遠鏡を自分で覗く変わりに、スマホのカメラに覗かせて撮影するのです。スマホを手で支えて撮るのですが、スマホのレンズの中心と、望遠鏡の接眼レンズの中心をピッタリと合わせないといけません。
少しでもズレてしまうと、接眼レンズから出た天体の像がスマホのレンズに入らず、液晶画面が真っ暗になってしまいます。スマホと接眼レンズがガチガチとぶつかり、大切なレンズを傷つけてしまうことも…
器用な人なら、ピッタリ中心が合った瞬間を狙って、うまく撮影することができますが、普通はちょっと難しいです。
そこで便利なのがアダプターです。アダプターがあれば、接眼レンズの中心と、スマホのレンズの中心を『簡単に』一致させる事ができます。
色々な接続用のアダプターがありますが、スコープテックでは画期的な「クリップ・アダプター」を開発しました。このアダプターの特長は、安価でセットや取り外しが簡単なことです。
かんたん!クリップアダプターの使い方
1、取付
↑ スマホのカメラレンズ付近をクリップではさむ。この時クリップの穴のあいている側をスマホのカメラレンズ側にして取り付けます。
2、位置合わせ
↑ レンズ側から見て、クリップの穴とカメラレンズが同心円になるように取付位置を、調整してください。
※iPhone6以降のiPhoneのように、レンズ部分が本体背面パネルより、出っぱってるスマートフォンは、保護ケースの上から取り付けするなど工夫をすると、本製品が傾かずに取り付けができます。
3、ピント合わせ
望遠鏡に接眼レンズを取り付けます。自分の眼で覗いて頂き、ピントを合わせてください。ちなみにこの時、天頂ミラーは使っても使わなくても撮影できます。やりやすい方法で撮影してみてください。
4、スマートフォンのカメラを覗かせる
K.20mmの接眼レンズにアダプターをかぶせるようにして覗かせます。
※この製品は、カメラレンズと接眼レンズの位置を合わせ、簡単に手持ちで撮影できるアダプターです。スマホを望遠鏡に接続・固定するものではありません。手を離すとスマホは落下しますから、スマホから決して手を離さないでください!
5、カメラアプリを起動
スマートフォンのカメラアプリを起動してください。液晶に月が写ります。スマートフォンが大きく傾いていると、画面が黒くなります。できるだけ黒い影が映らないようにしましょう。
6、ピントと明るさ(露出)の確認
スマートフォンの画面の中心付近に月が映し出されたら、ピントを確認しましょう。画面に映し出された月を指でタップすると、スマートフォンのカメラのオートフォーカースが働き、ピントを合わせてくれるはずです。
また画面に映る月が明るすぎるようなら、月の明るい部分をタップしてあげると、スマートフォンカメラ側が露出の調整をしてくれます。