★ 今月の天文現象

今月は、土星、木星、金星、火星と4つの惑星の近くを次々に月が訪れます! 惑星がうまく見つけられないという方でも、月の近くにあれば簡単に見つけられます。また、かに座の中央にあるプレセペ星団に火星や金星が近づきますので、それも観察してみましょう。

◆ 1日~3日 日の入り後、プレセペ星団に火星が接近

かに座の中央にあるプレセペ星団は、春から初夏にかけて見頃を迎える星団です。5~10倍の双眼鏡で見る対象としておすすめです。天体望遠鏡で観察する際には、できるだけ低い倍率で見てみましょう。「星団」という名の通り、無数の小さな星たちが輝いているのが見えるはずです。

6月のかに座は、日が暮れたあとしばらくのあいだ、西の空にありますが、22時過ぎには沈んでしまいますので、観察のチャンスは20時台です。

1日には火星がプレセペ星団の位置に入ります。近くには、金星とふたご座のカストル、ポルックスという明るい星が3つ並んでいますから、その左上にある赤い火星は初心者でも見つけやすいです。2日、3日も同じような配置が続きますので、チャンスは3回あります。この期間、火星を目印に、初心者にはちょっとだけ見つけるのが難しい「プレセペ星団」を簡単に見ることができます。

※火星そのものはしばらくのあいだ地球から離れる時期なので、見た目の大きさは小さく、明るさも暗めです。残念ながら、天体望遠鏡での観察には向きません。

参考リンク:

・プレセペ星団(wikipedia)
 https://w.wiki/6doQ

・プレセペ星団(アストロアーツ)
 https://www.astroarts.co.jp/alacarte/messier/html/m44-j.shtml

・火星とプレセペ星団が大接近(アストロアーツ)
 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12817_ph230602

・日の出光学(上記のヒノデ双眼鏡を販売する、スコープテックの姉妹サイト)「双眼鏡で星を見る~冬春編」
 https://bino.hinode-opt.jp/column/hoshimi3.html/

◆ 10日 未明 、月と土星が接近

天体望遠鏡の視野の中では月と土星を両方一度に見ることはできませんが、双眼鏡であれば一つの視野の中に収まります。もちろん肉眼でも楽しめますので、是非空を見上げてみてください。夜中の2時ごろであれば、南東の空、高度20度くらいの、かなり見やすい位置にあるはずです。

※10日の2時=9日の26時です。10日の26時(11日の2時)ではありませんのでご注意ください!

ここから半年くらいのあいだ、土星は見ごろを迎えます。8月にかけて少しずつ明るさを増していきます。

今年6月の土星は、1日には夜中の0時を過ぎてようやく東の地平線から出てくる感じですが、出てくる時刻は日々少しずつ早くなり、30日には22時台に顔を出すようになります。さらに、8月には19時台に顔を出すようになるので、夏休みにはお子さんが起きている時間に見ることができます。

すべての惑星は太陽と同じように、東から昇って西に沈み、東の空から出る時刻は日々変化していきます。地平線から出てすぐの、低空にある土星は大気の揺らぎの影響を受けやすく、天体望遠鏡での観察には適していませんので、昇りはじめてから2~3時間以上あとに見はじめるのが理想です。

ラプトルやアトラスといった天体望遠鏡では土星の環(わ)を観察することができます。天体望遠鏡は買ったけれど、まだ月しか見ていないという方は、是非チャレンジしてみてください。

参考リンク:

・月が土星に接近(国立天文台)
 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/06-topics01.html

・月と土星が接近(アストロアーツ)
 http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12819_ph230610

・日の出光学(上記のヒノデ双眼鏡を販売する、スコープテックの姉妹サイト)「双眼鏡で星を見る~冬春編」
 https://bino.hinode-opt.jp/column/hoshimi3.html/

◆ 13日 日の入り後、プレセペ星団に金星が接近。

2日に火星が接近したプレセペ星団に、今度は金星が接近します。-4等星の強い光を放つ金星は、全天で最も目立つ星なので、すぐに見つけることができると思います。ただ、その強い光ゆえに、近くにあるプレセペ星団の淡い輝きは霞んでしまうかもしれません。

◆ 14日 未明、月と木星が接近。

天体望遠鏡の視野の中では月と木星を両方一度に見ることはできませんが、双眼鏡であれば一つの視野の中に収まります。もちろん肉眼でも楽しめますので、深夜2時ごろと遅い時間ですが、是非空を見上げてみてください。

※14日の2時=13日の26時です。14日の26時(15日の2時)ではありませんのでご注意ください!

低空にある木星は大気の揺らぎの影響を受けやすいため、天体望遠鏡での観察には適していません。秋には見ごろになりますから、もう少しお待ちください。

参考リンク:

・月が木星に接近(国立天文台)
 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/06-topics02.html

・日の出光学(上記のヒノデ双眼鏡を販売する、スコープテックの姉妹サイト)「双眼鏡で星を見る~冬春編」
 https://bino.hinode-opt.jp/column/hoshimi3.html/

◆ 22日 日没後、月と金星と火星が集合。

天体望遠鏡の視野の中では月と火星、金星を全て一度に見ることはできませんが、双眼鏡であれば一つの視野の中に収まります。もちろん肉眼でも楽しめますので、是非空を見上げてみてください。

しばらくのあいだ火星は暗く小さい時期に入るので、天体望遠鏡での観察には向きません。一方、金星は天体望遠鏡で欠けている様子を観察することができます。是非チャレンジしてみてください。

参考リンク:

・月が金星、火星に接近(国立天文台)
 https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2023/06-topics03.html

・細い月と金星、火星が接近(アストロアーツ)
 https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/12822_ph230622

・日の出光学(上記のヒノデ双眼鏡を販売する、スコープテックの姉妹サイト)「双眼鏡で星を見る~冬春編」
 https://bino.hinode-opt.jp/column/hoshimi3.html/

★ 今月の惑星

土星:6月前半は午前0時頃に南東方向からのぼってきます。後半はさらに早い22時台からのぼるようになります。後半は夜中の0時以降になれば十分な高度までのぼるので、未明までが観察の好機です。10日には月と接近します。上の天文現象のコーナーで詳しく説明しています。

天文初心者にとっても、土星の環(わ)は楽しい観察対象です。多少夜更かししてでも、是非チャレンジしてみてください。

木星:かろうじて未明ごろ、昇りたて木星が東の超低空に見えます。少し位置が高くなったかというところで夜明けが訪れてしまいます。地平線から出てすぐの、低空にある木星は大気の揺らぎの影響を受けやすいため、天体望遠鏡での観察にはあまり適していません。ガリレオ衛星の観察はできますが、縞(しま)はちょっと見づらいはずです。

火星:日没後しばらくの間、西の空に赤く輝いています。1.7等星と少し暗くなり、地球からの距離は離れているため、天体望遠鏡による模様の観察には適していません。日を追うごとに見た目の大きさが小さくなっていきます。22日には金星とともに月に接近します。上の天文現象のコーナーで詳しく説明しています。

金星:西の空に一番星として輝きます。-4等星と普通の星とは比較にならない明るさですから、すぐに見つけられるはずです。水星と金星は地球よりも内側を公転している「内惑星」です。天体望遠鏡では内惑星の特徴である「満ち欠け」を観察することができます。

4日には東方最大離角を迎えます。最大離角のとき、金星は見た目の位置が最も太陽と離れるため、日没とともに輝き始めた金星は22時ごろまで沈まず、西の空に輝き続けます。22日には火星とともに月に接近します。上の天文現象のコーナーで詳しく説明しています。

水星:5月29日に西方最大離角を迎えたので、6月初旬は観察好機ですが、ようやく高度が10度を超えたかというところで日の出を迎えてしまいますから、あまり条件は良くないです。双眼鏡を使っても、都市部で見つけるのは難しいかもしれません。太陽に細心の注意を払って探してください。日を追うごとに太陽に近づき、見えづらくなります。

★ 今月の月

月を天体望遠鏡で見るときには、満月よりも、どちらかと言えば欠けている月の方が面白いです。欠け際にあるクレーターが影を作り、よりクッキリと見えるからです。また、空がまだ薄明るい状態でも月は見えますが、鮮やかで美しい像を見たければ、やはり、日の入り後1~2時間以上あとの暗い空で観察するのがおすすめです。

夏の時期、月が夕方から夜にかけての観察しやすい時間(20~24時くらい)に、見やすい位置に上がっているのは、新月の4日後くらいから満月の4日後くらいが目安です。

6月の満月は4日、新月は18日。7月3日に再び満月になります。なので、前半は1~8日まで、後半は22~30日が月の観察には最適です。22日以降は全般に渡って月の欠け際が観察しやすく、おすすめです。

6月は月の高度が低く、出ている時間が短いのに加え、太陽が出ている時間が長いため、月が観察できる時間は一年の中でも短い時期です。そこに梅雨入りが追い打ちをかけ、空も曇りがちになるので、辛抱強く観察のチャンスを待ってください。

参考リンク:

・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。
 https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi