2019年11月の星空情報メールですが、台風関連で被災された方へのご連絡です。

●台風15号、19号や21号で被害に遭われた方へのご連絡。
今回一連の暴風や洪水で被害を受けた皆様には、心よりお見舞いを重ねて申し上げる次第です。
9 月に台風15号の首都圏への上陸で、千葉県や伊豆諸島を中心に大変な被害が出ました。その被害からの回復がなかなか進まない中で、台風19号が再び列島を襲い、東日本を中心に記録的な降水量を記録し多くの命が失われてしまいました。その後の21号の接近でも予想外の降雨により大きな被害が再びでてしまいました。19号では、都心を流れる大河川も氾濫危険水位を超え、ぎりぎりの状況でしたが、堤防の決壊という最悪の状態は免れ、最も恐れていた人口過密地域での大規模な冠水は免れました。地球温暖化による極端な気象変化は今後ますます激しくなるとの学説もあり、こうした激甚災害に対する備えは急務です。今回被害に遭われなかった皆様も、普段からハザードマップを確認し、どこの道路が寸断するのか、土砂災害警戒区域や浸水区域内に住んでいなくても良く考えておく事が普段からの備えと早めの避難に結びついていくことになるのでは、と考えています。想定外の浸水規模に達した場所もあり今回の災害を見ると無力感を覚えるのも事実です。

台風や洪水被害で望遠鏡の被害に遭われた方は、特別に修理費を割引して対応いたしますので、弊社のフリーダイヤル0800-600-5759もしくは、メール(webmaster@scopetown.jp)でご連絡ください。災害適応の割引修理には罹災証明書のコピーが必要になりますのでお手元にご用意頂けますよう宜しくお願い申し上げます。
ご用意出来ない場合でもご相談ください。

修理は生活状況が落ち着いてからという方もいらっしゃると思いますが、修理時期、望遠鏡の修理のタイミングなども、ご都合に合わせられますのでご相談ください。

また台風被害で望遠鏡を逸失してしまい、今は望遠鏡自体が無いもしくは、処分してしまった方もできる範囲ではありますが、出来るだけの対応をいたしますのでご連絡ください。

●詳しくは下記リンク先をご覧ください。
ご愛用の弊社製品が地震、津波、台風、豪雨等の災害により不具合となった場合、修理料金を特別割引させていただきます。(適用地域に関しまして、災害救助法適用地域に準拠しますが、域外の方でも自然災害で望遠鏡が壊れた方はご相談ください。)ちいさな会社ゆえ、修理対応に時間が掛かってしまう事もあると思いますが、誠心誠意対応いたしますのでお許しください。

https://scopetown.jp/attention3.html

こんな時ではありますが…….

2019年11月の星空情報です。

●今月のハイライト
11月の注目すべき天文現象をリストアップします。くじら座の脈動変光星ミラがとても明るくなっています!一番明るくなる極大日が、11月7日ですが、10月末ごろの段階で2等級代後半の明るさになっているのが確認でき、双眼鏡や望遠鏡で覗くとくすんだオレンジ色に見えました、今月注目の天体です。
11月初旬のおうし座流星群が極大になります。2001年に大出現したしし座流星群が11月18日に極大となります。11月14日に小惑星ベスタが衝になり、見頃となります。

メルマガやブログで使っている解説図版は、アストロアーツ社の星空シミュレーションソフト『ステラナビゲーター』で生成したものです。星空を楽しむ時、星空の写真を撮る時にとても便利なソフトです。

〈目次〉
★11月の惑星たち
★11月の天文現象カレンダー
★11月の星空情報
★イベント情報
★オススメのテレビ番組

★11月の惑星たち
水星 × 11月28日に西方最大離角になりますが地平線からの高度が低く観測条件はよくない。
金星 △夕方の西空低空
火星 × 先月9月4日に合、引き続き太陽に近く観測は難しい。
木星 △日没後の南西の低い空でとても明るく見えています。
土星  ○10月10日東矩でした。宵の南西の空で見えています。観測シーズン終盤です。
天王星 ◎10月28日に衝でした。夜半に南の空に見えています。
海王星 ○9月11日に衝、宵に南西の空。

★11月の天文現象カレンダー
11月2日(土)田奈星空観望会 
11月3日(日)文化の日
11月4日(月)振替休日 上弦の月、夕方に見える半月です。月のクレーター観察の好機です。

11月6日(水)おうし座南流星群が極大
11月7日(木)くじら座の脈動変光星ミラが極大

11月12日(火)満月。満月の時は、クレーターはあまり見えませんが、海の部分の色や、クレーターから四方八方に広がる光条が良く見えます。
11月13日(水)おうし座北流星群が極大
11月14日(木)小惑星ベスタが衝 明るくなり観測の好機

11月18日(月)しし座流星群が極大
11月20日(水)下弦の月 深夜過ぎから明け方に見える半月です。月のクレーター観察の好機です。
11月22日(金)から11月24日(日)乙女高原星空観望会
11月23日(土)勤労感謝の日

11月27日(水)新月 前後数日は一晩中月明かりの影響がなく、星空の観測に絶好。
11月28日(木)水星が東方最大離角

★10月の星空情報
※全ての図版は、クリックやタップをするとさらに大きく表示できます※

☆くじら座の脈動変光星ミラが極大です。
明るさが変わる不思議な星を変光星と言います。変光星の種類はさまざまです。大きく分けると2つあり、暗い星と明るい星がペアになっていて、明るい星の前を暗い星が横切った時に暗くなる、食変光星と、星自体が伸び縮みして明るくなったり暗くなったりする脈動変光星があります。太陽のような恒星は、中心付近で核融合で生み出されているエネルギーが一定していますから明るさもそう大きく変わらないのですが、くじら座のミラは、年老いていてとても不安なのです。そのため中心付近での核融合反応がとても不安定になっています。それが原因で変光します。もっと不安定になってくると、明るくなったり暗くなったりする周期も不安定になっていきます。
くじら座のミラは、人類が初めて発見した変光星で、暗くなった時(10等星)と最も明るくなった時(2等星)の明るさの差は、約1500倍にもなります。変光の周期は約332日になります。毎回極大の時に2等級の明るさになるわけではなく、毎回極大の光度は違います。4等級までしか明るくならないこともあります。今回10月に観察してみたところ、極大日まで日付があるにも関わらず、すでに3等星より明るくなっていて、条件はかなり良いと言えます。
双眼鏡や低倍率の双眼鏡で観察するとオレンジ色ぽい色に見えます。
2等代まで明るくなっているので、今回は市街地でも肉眼で見る事ができるでしょう。これが4等級程度まで明るくならない時は、市街地で肉眼で見るのはかなり困難なので今回の極大はまたとないチャンスと言えます。極大だからといって毎回2等級代になるとは限らず、3等級や4等級までしか明るくならない時もあります。

変光星の明るさは、周辺にある他の明るさが変わらない星との明るさを比べてみると良いです。比較によって明るさに見当をつけます。下図を参考に観測した時どの程度の明るさか測ってみるのも面白いですね。極大日の後もしばらく比較しながら観察していると、だんだんと暗くなって行くのが分かります。そのうち肉眼では見えなくなってしまいますよ。

☆3つの流星群を一緒に観察しよう。
10月は3つの流星群が活動します。おうし座南流星群、おうし座北流星群、そしてしし座流星群の3つです。この中で一番有名なのは、2001年に東アジアで1時間に1000個以上の流れ星を出現させたしし座流星群です。しかし現在は活動が低調で、今は1時間に数個の流星が観察できるだけです。おうし座南流星群もおうし座北流星群もそれぞれ1時間に夜空の暗い場所で、数個から10個程度の流星が見られるに過ぎませんが、3つの流星群の活動が重なる中旬ごろは、夜空を眺めていればそれなりの数の流れ星を見る事ができるでしょう。しし座流星群の流星は速いスピードで流れるのが印象的な流星ですが同じ11月に見られるおうし座流星群は、ゆっくり流れる流星が多く、火球と呼ばれる明るい流れ星の割合が多く、時には、地面を照らし出すような極めて明るい大火球が観察できることもあり、見逃せません。

ガイド星図の赤いばつ印の放射点を中心に、四方八方に流れます。出来るだけ視界が開けていて街灯の影響がない場所で観察してください。市街地での観察は流星の数が少ないこともありやや難しいですが、直接街灯が目に入らない場所であれば、いくつか明るい流星を目撃できるかもしれません。

☆小惑星ベスタが観測の好機
小惑星の中で、もっとも明るくなり観測がしやすい小惑星ベスタが観測の好機を迎えます。11月14日に衝となり明るさは、6.5等級になりますが、おうし座のο星の近くを通る11月5日から7日ごろが見つけやすいと思います。双眼鏡か低倍率の望遠鏡で探してみましょう。

写真は、アメリカの小惑星探査機ドーンが至近距離から撮影した小惑星ベスタの姿です。直径は 468.3 – 530 kmということで、地球などの惑星のようにまん丸ではありません。日本の小惑星探査機『はやぶさ2』が探査をしている小惑星りゅうぐうの大きさは700メートルほどですから、比べるとベスタの大きさはとても大きいですね。火星と木星の間の軌道を約3年7ヶ月ほどの周期で太陽の周りを公転しています。とても小さくて遠いので望遠鏡で見ても点にしか見えませんが、望遠鏡や双眼鏡で毎日観察すると、どんどん動いていくのが分かります。ぜひ観察に挑戦してみてくださいね。

☆秋の星座に親しむ(先月号と同じ記事です。)
秋の星空は、他の季節と比べるとやや地味な印象です。秋の星座を見つける目印は『秋の四辺形』と名付けられた4つの星が作る大きな四角形を見つける事から始めましょう。10月ですと、日没後、夜空が暗くなったころに頭上を見上げるとこの『秋の四辺形』を見つけることができます。『秋の四辺形』は、「ペガスス座」という天を駆ける馬を形どった星座の胴の一部です。
『秋の四辺形』を目印にして、様々な秋の星座を見つけることができます。秋の星座は、やや暗い星で構成されている星座が多いので、市街地ではなく、郊外地まで足を延ばすと見つけやすくなります。下図を参考に秋の星座を見つけて見てください。

★イベント情報

●2019年 乙女高原星空観望会暫定日程
第98回 11月22日(金)から11月24日(日)今年最後の乙女高原星空観望会です。

最新の日程は下記リンク先をご覧ください。
http://otome.sblo.jp/

●2019年田奈観望会スケジュール
11月2日(土) 月齢5.3 金星と土星 今年最後の田奈星空観望会です。
最新の日程は下記リンク先をご覧ください。
https://scopetown.jp/kanbokai.html

●新記事をアップしました。

ZEROの新製品発表を行った『北八ヶ岳・小海 星と自然のフェスタ(星フェス2019)参加のご報告』をブログにアップしました。

https://solunarneo.blog.fc2.com/blog-entry-789.html

前回の記事と併せてご覧ください。

『ZEROの製品開発 その1』

前々回アップした記事:『新型架台『ZERO』のコンセプトと製品概要』
https://solunarneo.blog.fc2.com/blog-entry-785.html
約五年の歳月を掛け完成した新型架台『ZERO』発売までまだ時間がかかりますが、今月から量産を開始します。ぜひご覧ください。発売前から注目を浴び、欧米での発売準備も始まっています。

おわりに
メールマガジンご意見などございましたら、下記のメールアドレス宛に感想など頂けると幸いです。

webmaster@scopetown.jp

よろしくお願い申し上げます!

2019年10月30日   
スコープテック 大沼 崇

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・星空と天体観測のブログ
ブログをヤフーブログからFC2ブログに引っ越しました。ヤフーブログが廃止になるためです。過去記事を含め全コンテンツを移動しております。
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さまざまな天文現象のお知らせや解説。自身で撮影した天体写真などや、おすすめの本など紹介しています。星空情報メールでは案内しないマニアックな天文現象も紹介しています!

・乙女高原星空観望会
http://otome.sblo.jp/
山梨市牧丘町柳平で毎年10回開催している星空観望会のご案内です。天の川の見える最高の環境と豊かな自然に恵まれた場所でくつろぎながらみんなで星を見ませんか?望遠鏡を持たない初心者の方もたくさん参加しています!2019年の日程は上記サイト上でご案内しています。
・田奈星空観望会
また弊社の近くの田奈でも毎月一回観望会が行われています。どなたでも参加できます。こちらも初心者大歓迎です。望遠鏡を持っていない方もお気軽にどうぞ。
毎回30人以上の方が参加されています。2019年の日程は下記リンク先でご確認ください。
https://scopetown.jp/kanbokai.html
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