2月は冬の星座が20時頃に見やすい時期。惑星は火星だけと寂しいですが、南の地平線近くに見やすくなる「カノープス」を狙うチャンスです。

☆おすすめの天文現象

・オリオン座のM42オリオン大星雲
2月の20時頃、南~南西にかけて良く見えているオリオン座。ここにあるM42オリオン大星雲を見つけるには良い時期です。
オリオンのベルトに当たる「三ツ星」の真ん中の星から少し下、街中では厳しいかもしれませんが郊外なら肉眼でも縦に並ぶ3つの星が見えるはずです。
その真ん中の天体がM42です。

M42オリオン大星雲を実際に見ながらスケッチしたもの。スケッチブックに鉛筆・綿棒で。

双眼鏡やラプトル50~アトラス80クラスの望遠鏡で見たとき、写真と違って白くぼやっとした広がりに見えるのは、人間の眼では色を感じられないくらい弱い光の広がりだからです。
実際に肉眼で存在がわかるか、また双眼鏡・望遠鏡を覗いて自分の眼でどのように見えるのかを確かめてみてください。

上のスケッチを実際の見え方に合わせて白黒反転の画像処理をしたもの。

・カノープスを探してみよう(福島県から南)
2月の宵~夜半前、地平線のすぐ上に姿を見せる「りゅうこつ座」の「カノープス」。
全天で2番目に明るく白い星ですが、日本ではこのわずかな時期、地平線すれすれの位置に見えるため大気の影響で赤い色に見えます。
日本と同じくらいの緯度になる中国では、超低空で見えたり見えなかったりするカノープスを昔から「南極老人星」「寿星」と呼び、見えると縁起の良い星、寿命が延びると言われています。

東京でも地平線からわずか2度の高さにしか上がらないため、福島県相馬市と新潟県新潟市を結んだ線から上の地域では標高の高いところに上がらない限り見ることができません。
南の地域ほど見やすくなりますが、南側が開けて地平線や水平線が見えるところで探すと良いでしょう。

画像も載っていて参考になるリンクを下記にご紹介します。

カノープスを見よう(アストロアーツ)

カノープスを見つけよう(2021年2月)(国立天文台)

☆2月の惑星

・火星:南西~西方向の空高い位置に見えます。
    明るさは0.4等~0.9等です。

・水星、金星、木星、土星:
 見かけ上、太陽に近づいているため見ることはできません。

☆2021年2月の月齢と主な天文現象

5日 下弦の半月 深夜に東の地平線から上ってきます。観測のおすすめ時間帯は午前2時くらいから。

12日 新月(月が太陽方向にあり観測出来ない)。

19日 宵の西の空で月と火星が近づきます。

20日 上弦の半月 日没の時に南中(南の空で一番高い位置に来ます)
   月の観測のおすすめ時間帯は日没から夜9時位まで。地平線に近くならないうちに見ましょう。

27日 満月(日没時に東の地平線からのぼってきます。)

☆田奈星空観望会は、新型コロナウイルスの国内での市中感染の状況判断により、中止となります。
今後の開催の可否は、国内の感染状況を見て後日お知らせいたします。
楽しみにされていた方には、大変申し訳ありませんが、あしからずご了承ください。

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