☆ ごあいさつ

皆さまこんにちは。短冊に願いごとは書きましたか?

それにしても今年の梅雨入りは遅かったですね。

晴れた方が星が見られてありがたいのですが、農家の方や水道局の方などは、それどころではないと思います。何でも「頃合い」が大事ですね。
それでは7月の星空情報をお送りします。

七夕にまことの情を尋ね見よ(正岡子規)

★ 月と火星が接近(7月2日未明)

7月2日(火)未明、月齢26の月と火星が接近します。
両者の間隔は約4°ですので、双眼鏡の視野にちょうどよい具合に収まります。
月も火星も見やすい天体ですが、この季節は夜明けが早く、空がどんどん明るくなってしまい、そうなると月も火星もどこにあるのかわからなくなってしまいます。
できれば“超早起き”して、薄明であまり明るくなる前に視野のアタリをつけておくのがよいでしょう。

★月とプレアデスが接近(7月3日未明)

3日(水)、こんどは月とプレアデス星団(すばる)が約2°まで接近します。これもまた双眼鏡での観望にうってつけの現象です。
前日の月と火星の接近よりさらに高度が下がるので、見られる時間は短いです。なるべく暗いうちからスタンバイしておきましょう。

★木星とヒアデス星団の接近(7月4日未明)

4日(木)にも明け方に面白い現象があります。木星とヒアデス星団の接近です。
木星とアルデバランの色の違い、また惑星と恒星との見え方の違いを実感してみましょう。
東北東の高度10°ていどと、前々日、前日の現象よりさらに低高度ですので、かなり見ずらく、見られる時間も短いです。東北東がなるべく開けた場所を選定してご覧になってください。

★はくちょう座χが増光(7月20日頃)

 ☆カイです。エックスではありません

はくちょう座χ(χcyg)という星があります。
この星、じつは周期約409日のミラ型脈動変光星です。
あ、ブラックホールがあると言われている有名なはくちょう座Xー1とは違います。あれはエックス、こちらはカイ・・・・別の星です。
紛らわしくて困りますね。

 ☆大きな変光幅

このχCygは変光幅が3等~14等級と大きいのが特徴です。
普段は14等級の、とても見えないくらいの暗い星ですが、極大時には3等級にまで増光します。
つまり肉眼でも見られるくらいに明るくなります。双眼鏡なら楽々です。

 ☆この夏のお楽しみに

今期は7月20日に増光すると予想されています。
ただし、予想はあくまで予想で、周期や極大光度にばらつきがありますので、7月上旬くらいから要チェックです。
こういった変光星は、増光してから見ても面白くないので、ここはやはり増光前から見ておくのが、よいでしょう。
ちょうど白鳥の首の中ほどの、とてもわかりやすいなので、増光したら、見つけるのは容易でしょう。
夏はくちょう座がとても見やすい位置にありますので、楽しんでみてください。

参考リンク:

はくちょう座カイ星(wikipedia)

https://w.wiki/_sogc

★朝の土星食(7月25日)

皆さんは「土星食」をご覧になったことありますか?とても面白い現象です。
月に土星がゆっくり隠され、ゆっくり出現するのを見るのは楽しいです。
ただ、今回の土星食は潜入が6時台、出現は7時台という朝の明るさの中での現象で、全体のコントラストが下がるため、クッキリとは見えないと思います。
双眼鏡でも楽しめますが、望遠鏡に100倍前後の倍率をかければ、土星の形もわかり、また条件が良ければ角度が浅く(薄く)なった環も見られるかもしれません。

【潜入時刻】
   第1接触  第2接触
札幌 6時27.1分 6時27.7分
仙台 6時29.0分 6時29.7分
東京 6時30.0分 6時30.7分
大阪 6時25.9分 6時26.6分
福岡 6時19.8分 6時20.5分
那覇 6時21.1分 6時22.1分

【出現時刻】
   第3接触  第4接触

札幌 7時27.0分 7時27.6分
仙台 7時25.9分 7時26.5分
東京 7時23.6分 7時24.2分
大阪 7時21.8分 6時22.5分
福岡 7時19.4分 6時20.0分
那覇 7時05.5分 7時06.5分

★今月の惑星

・水星:7月22日に東方最大離角となり夕方の西の低空に見えます。
・金星:6月4日に外合となり、夕方の西空に回りましたが、まだ低く見ずらいです。
・火星:夜半に上り、夜明け前の東空で見頃になっています。
・木星:夜半に上り、夜明け前の東空で見頃になっています。
・土星:21時頃に上ります。観望しやすくなっています。
・天王星:夜明け前の東の空で見頃になってきました。

参考リンク:

・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cgi

★今月の月

7月は6日が新月で西空に回り、夕方から見やすくなり、14日が上弦、21日が満月。28日が下弦の月です。

上弦前日の7月13日、22時20分頃には「月面X」を見るチャンスがありますが、このときの月の地平高度は約5°ときわめて低いため、かなり難しいでしょう。

参考リンク:

・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi