☆ ごあいさつ

皆様、あらかじめ新年おめでとうございます。
新年は新春とも言いますが、寒さ本番はこれからなのに、何が春だと言いたくなるところですが、まあ「冬は半分過ぎたよ」「これからどんどん暖かくなるよ」と思い込むことで、これからの寒さをやり過ごそうという先人の知恵も感じます。
そういえばクリスマスにはあんなにたくさん歌があるのに、お正月には「とーしのはじめの~」と宮城先生の「春の海」の2曲しかありませんね。まさか「もういくつ寝ると~」と歌うわけにもいかないし・・・・。有名アーチストに、新しいお正月の歌を考えてほしいものです。
それでは、今年も星空情報をよろしくお願いいたします。

年末年始休業のお知らせ

弊社は12月26日(金)から1月7日(水)まで、年末年始のお休みをいただきます。その間はお電話、メール等でのお問い合わせにはお応えできません。恐れ入りますが、お問い合わせ等は1月8日(木)以降にお願いいたします。

★1月の夜空

1月ともなると、さすがに夏の大三角はすぐ沈んでしまいます。冬至を過ぎて、暮れるのがどんどん遅くなり、夕方の明るさが戻ってきました(実際に日没がもっとも早いのは冬至前の12月上旬)。

20時頃になると、南天では冬の星座が南中を迎え、賑わいをみせています。

今年は木星がふたご座のちょうどよいところにいて、ふたご座がみつご座になったようです。冬はとかく気流が悪いですが、ぜひ望遠鏡を木星に向けてみてください。

その頃には、東の空から春の星たちが顔を見せはじめます。寒さ真っ盛りではありますが、季節は東の空から春に向かっています。

あと、土星の環が少しずつ開いてきました。これもお見逃しなく。

    

★サンタさんに感謝しつつ

クリスマスにサンタさんから天体望遠鏡のプレゼントをもらったよい子の皆さん(よい大人も)を対象に、天体望遠鏡を始めて使うときの秘訣をご案内いたします。ちいさなお子さんには保護者の方が代読し、教えてあげてください。そして、できればご家族で天体を楽しんでください。その方がサンタさんも喜ぶはずです。

<説明書をよく読んで>

欲しかった物が手に入ると、すぐに箱を開けて使いたくなるのが人情です。しかしちょっと待ってください。弊社の天体望遠鏡には必ず説明書が入っていますから、まずそれをご覧ください。そして、説明書の指示どおりに組み立ててみましょう。ときどきとんでもない組み立て方をしている方がいます。暗い所で使用する望遠鏡です。誤った組み立て方はとんだ間違いの元です。もうちゃんと組み立てちゃったよという場合も、時々は説明書を見返してみてください。

なお、弊社主要望遠鏡の組み立て動画があります。以下のリンクからご覧ください。

・ラプトル50 紹介&組立編 https://youtu.be/7YHoewUK1Vo  

・ラプトル60 紹介&組立編 https://youtu.be/8uZJDDNNEcc

・アトラス60 紹介&組立編 https://youtu.be/BuSOc6QOu1Y

・アトラス80 紹介&組立編 https://youtu.be/AusqR-RtoCM

 

<天体観察ガイドを使おう>

弊社の天体望遠鏡には「天体観察ガイド」が同梱されています。はじめて天体望遠鏡を使う方が、楽しく天体観察ができるよう作りました。各項目は簡潔に記載していますので、お子さんや初めて天体望遠鏡を使う方には、かえってわかりやすいはずです。

初めて方の入門書は、この1冊でじゅうぶんだと思います。手前味噌ですが、それほどよくできているガイドブックだと自負しています。その上で、もっと詳しいことを知りたい場合は、書店や図書館に出向いてください。

この1冊でじゅうぶんかも

<まず風景を見る>

初めて使う望遠鏡で、いきなり月や星を視野に入れるというのは結構難しいものです。まずは明るい時間帯に、遠くの景色を見て練習しましょう。倍率を変えたり、天頂ミラーをつけたり外したり、いろいろやってみてください。このとき、大体のピント位置もおぼえておくと、後々便利です。なお、決して太陽は見ないようにお願いします。

望遠鏡で天体を見るとき、天頂ミラー、天頂プリズムの使用の有無によって、倒立像や裏像になることがありますので、ご注意ください。詳しくは以下のリンクを参照してください。

・スコープタウン(用語集)「天頂ミラー」 https://scopetown.jp/word/zenith-mirror/

<月を楽しむ>

地上の景色をあるていど自在に見られるようになったら、月を見ましょうか。最初は、低倍率で月全体を見てください。天体望遠鏡で初めて月を見た方は、たいていその素晴らしさにびっくりします。

月は満ち欠けしますから、形が毎晩変わります。つまり、月が太陽に近い新月前後以外は毎晩楽しめるというわけです。もっとも下弦を越えると夜遅くなるので、お子さんには難しいですが・・・・。

低倍率で全体像を見るもよし、高倍率で特定の地域やクレーターを楽しむもよし。月には尽きない魅力があります。

★今日の月齢がどのくらいかは以下のリンクで調べられます。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cgi  

月面はあなたを招く

<なんでも見てやろう>

月も楽しんで、自在に扱えるようになったら、とにかく何でも見てほしいものです。「見えなかった」「やっと見えた」というのも「とてもきれいに見えた」というのと同じくらい、大切な経験となるはずです。 

<できれば組み立てたままで>

住宅事情にもよりますが、できれば天体望遠鏡は組み立てたままにしておくのがよいです。場所はお子さんの勉強机の脇でも、玄関でもOK。望遠鏡の稼働率を上げるためには、組み立てたままが一番です。

低倍率のアイピースと天頂ミラーは付けたままにしておく。他の付属品は、別の小箱に入れてすぐそばに置いておく、キャップは外しておくなど、すぐに使える状態にしておくことが、最大のお奨めです。ホコリが気になるなら、百均で売っている70~90ℓくらいのゴミ袋をかぶせておきましょう。これで観測開始まで1分以内。ただし光学機械に湿気は大敵なので、ゴミ袋をかぶせるときは、望遠鏡をじゅうぶん乾燥させてください。また、風通しがよくなるよう、下の方は開いたままにしてください。お客様が来たときには、ゴミ袋を外すのをお忘れなく。

<プラネタリウムに行こう>

弊社「天体観察ガイド」や市販の星座図鑑等は、平面上に印刷されたものですから、実際の星空と異なり、実感が湧きずらいことがあります。そんなときは、お近くのプラネタリウムに行ってみましょう。星空の実感がつかみやすいです。わからないことがあったら、解説員の方に質問してみるのもよいでしょう。大人の方には「プラネタリウムデート」もお奨めです。 

<そしてこの星空情報>

この星空情報は、なるべくどなたにでも理解しやすいよう、平易に記載しています(その代わりマニアには物足りないかも)。これからも役立つ情報をわかりやすくお届けしたいと思っております。どしどしご活用ください。また、ご友人等にご紹介いただければ幸いです。 

★新春はしぶんぎ群から(極大は4日、ただし条件はよくない)

今年のしぶんぎ座流星群は4日の午前6時頃が極大です(出現期間:1月1日~6日)。今回は月齢が約14.8とほとんど満月で、きわめて巡り合わせがよくありません。しかし、著名流星群で、出現は期待できますので、4日の未明に月が西に傾いた頃から夜明けまで、また4日の日没後早い時間に月がまぶしくなる前に見る価値はあると思います。

流星の出現数の予測は難しいのですが、空の条件のよい場所なら、1時間あたり30個ていどは見られると思われますが、今回は月明があり、暗い流星が見ずらいので、そこまでは見られないでしょう。。

しぶんぎ座流星群の母天体は小惑星番号196256の小惑星(仮符号 2003 EH1)が母天体ではないかと言われていますが、実はまだ確定していません。

【どうやって見るの?】

流星観測には望遠鏡はいりません。とりあえず楽な体勢で空を見上げることだけです。公園の長ベンチやキャンプ用のベッドなどに寝転がって見るのが良いのですが、この季節は、途中で寝てしまうと大変なことになる可能性があるので、じゅうぶん注意してください。

【しぶんぎ座ってどこ?】

しぶんぎ座は空のどこを探してもありません。、今のりゅう座、うしかい座あたりにありましたが、1922年に国際天文連合が88の星座を定めた際に選にもれ、消滅してしまいました。今では流星群の名前としてだけ残っています。東横線の都立大学駅みたいなものですね。

【しぶんぎって何?】

しぶんぎとは四分儀と書き、象限儀とも言います。航海の際に天体の位置を測定し、自分(の船)の位置を知るためなどに使われた観測器具です。航海での四分儀はのちに六分儀にとって代わられました。今ではそれも昔話となり、GPSで位置を知る時代になりました。 

参考リンク:

・しぶんぎ座流星群とは(国立天文台) https://www.nao.ac.jp/astro/basic/quadrantid.html

・象限機(wikipedia)https://w.wiki/Gb4s

・しぶんぎ座(wikipedia)https://w.wiki/4eRw  

★レグルスの食(7日未明)

1月ともなると、冬の星座が南中する頃、東の空に春の星々が顔を見せはじめます。その露払いを務めるのが、レグルス。獅子の胸に輝く1等星です。このレグルスが、7日の未明に月に隠される「レグルス食」が起きます。

今回のレグルス食は福岡県がほぼ南限で、それより南の九州・沖縄地方では食されませんが、それでも月齢約18の月にレグルスが近づき、遠ざかっていく姿は面白いものです。

なお、7日の未明は6日の深夜ですので、お間違いなく。

    潜入   出現

札幌 1時05分 2時21分

仙台 1時11分 2時23分

東京 1時16分 2時20分

大阪 1時16分 2時07分

福岡 1時24分 1時42分

那覇  (食されない)

参考リンク:

・レグルス(wikipedia) https://w.wiki/3PaG

  

★オリオン大星雲(M42)

月がなく(あるいは小さく)、天気がよければオリオン大星雲(M42)は容易に見られます。望遠鏡でよし、双眼鏡でもよし。空の環境がよいなら、肉眼でもボーっとにじんだように見えます(望遠鏡の場合は低倍率で見てください)。
オリオン座の三つ星の下にさらに小さい三つ星があります(これを「小三つ星」とも言います)。この小三つ星の真ん中にオリオン大星雲はあります。
オリオン大星雲は私たちの太陽系の1,300光年先にある散光星雲です。その星雲の中心部では、今まさにたくさんの新しい星が生まれつつあり、まさに「宇宙のゆりかご」と言える場所です。
空の条件の良い暗いところで見ると大きくて明るい星雲ですが、街中ではその一部、明るい部分が見えるだけです。
写真の姿と違うので、慣れないうちは見落としてしまうことが多いのですが、あわてず、ゆっくりと確認してください。写真で見るオリオン大星雲は、赤く派手な色彩ですが、双眼鏡やラプトル50~アトラス80クラスの望遠鏡では、白くぼやっとした広がりにしか見えません。これは、星雲の光が、人間の眼では色を感じられないくらい弱い光の広がりだからです。
実際に肉眼で存在がわかるか、また双眼鏡・望遠鏡を覗いて自分の眼でどのように見えるのかを確かめてみてください。

 

 参考リンク:

・オリオン大星雲(wikipedia) https://w.wiki/4BrQ

★今月の惑星

・水星:太陽に近いため、見られません。

・金星:太陽に近いため、見られません。

・火星:太陽に近いため、見られません。

・木星:ふたご座のポルックスの近で明るく輝いています。観望、観測、撮影の好期です。

・土星:夕方南西の空の見やすい位置にあります。少しずつ環が開いています。

・天王星:おうし座にあります。

参考リンク:

・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cgi  

  

★今月の月

2026年1月は、3日が満月、下弦が11日、19日が新月、26日が上弦となります。

<月に近づく天体>

1日(木)プレアデス星団(前日深夜からのプレアデス食)

3日(土)ポルックス、カストル(ふたご座)、木星

7日(水)レグルス(しし座)の食

23日(金)土星

27日(火)プレアデス星団(おうし座)

29日(木)エルナト(おうし座β)

31日(土)木星とポルックス(ふたご座)の間を月が通過

参考リンク:

・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi