☆ ごあいさつ

皆様こんにちは。
大型連休はどちらかにお出かけでしょうか。
今年は月齢のめぐりも比較的よく(殊に連休前半)、旅行の際にはついでに星見も楽しめるはずです。
露天風呂に浸かりながらの星見・・・・堪えられませんね。
というわけで、今回は、ゴールデンウィークの各方位の星空からご案内いたします。

★弊社は、4月27日(日)から5月7日(水)までお休みをいただき、営業再開は5月8日(木)からとなります。その間はお電話、メール等でのお問い合わせにはお応えできません。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

★GWの西空

まず、早く沈む西の空から楽しみましょうか。
たくさんあった冬の1等星もだいぶ沈み、低空にはカペラ、ポルックス、プロキオンを残すのみ。その代わり高いところにレグルスがいます。

明るく輝いていた木星は21時半頃には没してしまい、残る惑星は火星。かに座の中心部のプレセペ星団を通過中です。1月の最接近が過ぎ、だいぶ暗くなってきました。

参考リンク:

・レグルス(wikipedia) https://w.wiki/3PaG

・プレセペ星団(wikipedia) https://w.wiki/6doQ

★GWの南の空

南の空でまず目立つのは、うしかい座のアークトゥルス(麦星)、おとめ座のスピカ(真珠星)のふたつの1等星。これにしし座の尻尾デネボラを合わせて春の大三角を構成しています。
からす座は小さいですが、形が整っていて面白い星座です。からす座の四角形は、5倍双眼鏡の視野にすっぽり入ります。

 

 

参考リンク:

・春の大三角(wikipedia) https://w.wiki/DqLH

・からす座(wikipedia) https://w.wiki/9XMG

★GWの東の空

すこし寂しい春の星空ですが、21時頃になると、派手な夏の星座が上ってきます。夏の代表さそり座を見るには、もう少し夜ふかしが必要です。
かんむり座は、小さいながら端正な姿です。5倍双眼鏡に主要部分がすっぽり入ります。

  

  

参考リンク:

・かんむり座(wikipedia) https://w.wiki/DqLJ

 

★ GWの北の空

まず、北極星を確認しましょう。
もっとも知られた探し方は、北斗七星の1番目と2番目の星を結び、5倍伸ばしてください。そこにあるのが北極星(2等星)です。
北極星は天の北極のすぐ近くにある星ですから、いつもこの場所にあります。
北極星はこぐま座にあります。おおぐま座に比べるととても可愛らしい星座ですが、見つけやすいです。北斗七星に対して「小びしゃく」とも言われています。


北斗七星の柄から2番目のミザール(とアルコル)は良く知られた二重星です。ひじょうに見やすく、小口径、低倍率の望遠鏡でも簡単に見られるので、ぜひご覧になってください。
昔のアラビアでは、この2星を視力検査に使ったと言われています。視力にもよりますが、肉眼でも2つの星に分離できます。
北斗七星はおおぐま座の一部です。おおぐま座はとても大きい星座ですが、北斗七星がどうしても目立ってしまうので、クマの姿を想像するのは案外難しいです。
そういえば、おとめ座、うみへび座、おおぐま座と春には大きい星座が多いです。

  

参考リンク:

・北極星(wikipedia) https://w.wiki/8x8J

・北斗七星(wikipedia) https://w.wiki/4hJi

・ミザール(wikipedia)  https://w.wiki/DqLN

★美しい二重星「かに座ι(イオタ)」

かに座ι(イオタ)は黄色い4等星と6.6等の白い星で構成されている二重星です。色の対比がとても美しく「春のアルビレオ」とも呼ばれています。

ライオンの目の位置にあるしし座ε(イプシロン)と、ふたご座のポルックスを結んだほぼ中央を探してみてください。あらかじめ双眼鏡で位置を確認しておくとよいでしょう。


離角が約30秒角のため双眼鏡での分離はちょっと無理で、ここは望遠鏡の出番です。
お手持ちの中~高倍率の接眼レンズでご覧ください。導入が難しいときは、低倍率で導入した後、望遠鏡を動かさず、接眼レンズだけ交換してください。

参考リンク:

・かに座イオタ星(wikipedia) https://w.wiki/DqPb

★月面見どころ「アペニン山脈とその界隈」

アペニン山脈は月の北半球中緯度のほぼ正面にある長さ600kmもある大山脈です。北側のコーカサス、アルプスの両山脈とともに西側の雨の海に流れた溶岩をせき止めています。
たいへん峻険な山が多く、また渓谷もたくさんあります。

雨の海にはいくつかの顕著なクレーターがありますが、アルキメデスは比較的大型の上、雨の海の平坦な中にあるためとても目立ちます。壁が切り立っているのに、クレーター内が溶岩流により平坦で、野球場を上から見たような感じがします。
この地域は、地球から見て正面にあるため、上弦の月前後に楽しめます。(下弦の月前後にも楽しめますが、夜ふかしが必要)。5月は4日が上弦ですから、大型連休中に楽しむにはもってこいです。

 

 

月面の図と画像は、南中時に肉眼で見た向き(正立像)で掲載しています。望遠鏡で見た場合は、天頂ミラー、天頂プリズムの使用の有無によって、倒立像や裏像になることがありますので、ご注意ください。

詳しくは以下のリンクを参照してください。

・スコープタウン(用語集)「天頂ミラー」
https://scopetown.jp/word/zenith-mirror/

参考リンク:

・アペニン山脈(月)(wikipedia) https://w.wiki/DqPh

今月の惑星

・水星:太陽に近いため、ほとんど見られません。

・金星:明けの明星として、明け方の東の空に輝いています。でもこの時期は夜明けが早いので、かなりの早起きが必要です。

・火星:かに座を移動中で、夕方の西空に見えています。5日22時頃、プレセペ星団にもっとも近づきます。

・木星:夕方の西の低空にあります。合が近づいているため、だいぶ見ずらくなってきました。

・土星: 未明の東天低くにあります。7日には今期2回目の環の消失が起きます。今回の消失は、太陽光が環の真横から当たり、環が太陽光反射をほとんどしなくなるために起きるもので、前回(3月24日)の環の消失とは理屈が異なります。

・天王星:5月18日に合(太陽と同方向)になるため、見られません。

参考リンク:

・太陽系天体の出入りと南中(国立天文台)

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/cande/riseset.cgi  

  

★今月の月

2025年5月は4日が上弦、満月が13日、下弦が20日、27日が新月です。

<月に接近する天体>

4日(日・夕方~深夜)火星、プレセペ星団
24日(土・明け方)金星
28日(水・夕方)木星
31日(土・夕方~深夜)プレセペ星団

参考リンク:

・今日のこよみ(国立天文台):月の欠け具合、月の出、南中、月の入の時刻がわかります。

https://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/sunmoon.cgi